屍の母親から生まれたオーリは人なのか、屍なのか。
オーリの出自と七星ヒズチの過去、マキナの祖先と北斗の因縁、その双方に影をさす七星と光言宗。積み上げてきた伏線がようやくクロスした。もっとも積み上げる段取りは褒められるものではなかったが。
未練も性もなく、ただ人身御供として死ぬためだけにあった北斗は存在自体が死であり、死こそが存在。七星を倒す事を未練として屍姫であり続けたマキナ、その頑なな想いに囚われたままの彼女は、北斗に敵わない。敗れ去る寸前に景世の名をつぶやく演出には「えっ?」と思わせておいてから、オーリとの縁が切れていないことを示す復活のシーンへの転換には感心した。
光言宗の読経が力になったのかは知らぬが、対七星や景世への未練を、窮地のオーリへの未練に鮮やかに転換させたのは納得が行く演出だ。
オーリは交通事故で死んだ臨月の母親から生まれた子。母は我が子を抱きたい未練により屍となり、子供たちを殺しはじめる。その中の一人がヒヅチで、彼の「食いたい」未練が彼を屍とし、他の子供たちは姿を変え黒猫となってオーリが人となるか屍となるかを見張っていたとのことだ。
ヒヅチが用意した、その時と同じシチュエーションによりオーリの記憶は蘇ってしまった。
屍に囚われたオーリが、子供たちを食らうのか、自らが屍に食らわれるのか、オーリの選択は生者として生き続けること。
駆けつけたマキナと力強い連携によりヒヅチを倒したあとの、マキナの「あなたが必要なんだから」とのツンデレマキナも良いものだ。
マキナを救出し、七星を急襲した梅原や嵩征たち。光言宗の目論み通りとはならず、七星たちが仕掛けた「大いなる穢れ」が厄災として起きるところで次回へ続くのだが、これはCパートに送るか次回冒頭でも良かったのではないだろうか。
オーリもマキナも、今回の事件で自分の出自を振り返り、お互いの縁を再確認して一件落着として欲しかったのだが、このまま流されてしまいそうな感じがして落ち着かない感じだ。
今回は演出も作画も良好だった。終盤、最終回間近のミニクライマックスとして良い出来だと思う。
絵コンテ・演出・屍デザインは平松禎史。作監に横井将史、レイアウト作監に貞方希久子、作監補に平田雄三と錚々たるメンバー。原画に西田亜沙子がいたのは珍しい気がする。
