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カテゴリー「シャングリ・ラ」の記事一覧

シャングリ・ラ 第10話「言霊之剣」

長い長いプロローグが終わり、新たな展開が始まる「シャングリ・ラ」の第10話。これまでに回収した伏線も、ようやくドラマの構図を明らかにするに過ぎない。まだ道のりは遠い。
それでも國子の鬱々とした日々の描写を引っ張らなかったことは幸いだ。育ての親代わりのモモコをさらわれた件は先のシナリオに生きてくるだろうが、少年院での殺戮シーンを見せたことは制作者の自己満足だとしか思えない。指図した涼子との再会でもあれば、この事件から國子の覚醒などに結びつきようもあるだろうが、他の演出で見せてもらいたい。

時計塔でのいつものポジションにいるモモコの代わりに武彦がいて、いかにも無骨な男の役に立たないアドバイス、それをスルーする國子のシーンは、彼女の変化ではなく周囲の状況の変化を表していて喪失感は引き出せていた。相変わらず國子の内面の変化は伝わりにくい。
今回改めてメタル・エイジ総裁就任を決意し、凪子婆さんから剣を渡される國子。もっと始めから剣を取っていればアトラスの「お言葉」を聴けて話が早かったのにと、つい突っ込みたくなる。

國子=ディグマ2=太陽が聴いたお言葉は「太陽よ、天に昇り、地を照らせ」
美邦=ディグマ1=月が聴いたお言葉は「月よ、天に昇り、闇夜を照らせ」
もう一人の剣の持ち主、マーシャルへ派遣された草薙も言葉を聴くことになるのだろう。

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美邦が誤って太陽光を浴びた様子を見て、涼子が放った言葉が「籠の鳥はおとなしく籠の中に戻りなさい」
涼子は國子の覚醒を待ち、美邦の存在は煙たそうだ。それは小夜子がらみなのか、もっと本質的なところにあるのだろう。
小夜子はモモコを研究の実験台にする気満々だが、モモコの話術にかかっている。娘や家族のことに触れられることを嫌っている。モモコはどちらにつくだろう。
これで勢力図は次のようになるのか。
【ディグマ2】 涼子、メタル・エイジ
【ディグマ1】 小夜子、ミーコ
いずれにしてもアトラス公社とメタル・エイジの出来レースにしか見えない。
メデューサを潰されそうな香凛と、潰す任務についた草薙の動きで勢力図も変わるかもしれない。

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シャングリ・ラ 第9話「天啓陽月」

モモコを失うのは一時的か永遠なのか。英雄気取りで脱獄したあとの始末は死体の山で、保護され自由に振舞っていた國子のドラマの序章がようやく終わったようだ。身近な者との別れと、太陽と月に比喩される國子と美邦のニアミスなど、新たな出会いに向けても伏線を張った「シャングリ・ラ」第9話。

月蝕を利用して地上に遊ぶ美邦とお付きのミーコ。ミーコはオカマなだけじゃなく元力士で、國子のブーメランを張り手で返すとは。結果としてはメタル・エイジの敵方にいるわけだが、ちょっと今のところはミーコの使い方がピンとこない。モモコが捕らえられたことで、かつての仲間を看取る事になるとは思わないが、悲劇の演者の一人になりそうだ。
小夜子は涼子と比較して、より美邦に肩入れしているように見えるのだが、彼女の研究も美邦のためなのだろう。モモコのイヤリングと美邦の物の相似に気づいた小夜子によって、展開が変わる気配もある。

代々少女を生贄としてきた水蛭子と、そのお告げを利用するアトラス公社に涼子の関係の一端も見えてきた。その御託の要は、アトラスを継ぐ者は美邦なのか國子なのか、物語はそれを巡っての一連の事件を描いているはず。
そう考えると、アトラス側でそれを知る立場にありそうな涼子の行動も、単にサドっ気を満足させるためではなく、大きな計画に裏打ちされている。メタル・エイジ側で事情を知っているのは凪子婆さんだろう。國子の両親の姿がないことや、出生の秘密も知っているに違いない。
炭素経済活動の方針やアトラス計画の是非で表面上は対立していそうなアトラス公社とメタル・エイジだが、國子(ディグマ2)の取り扱いに関しては暗黙の了解の下、悪く言えば出来レースみたいだ。

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炭素指数取引市場関係では、メデューサが香凛の言うことを聞かずに木星ウォッチをしているのではなく、より上位権限を持つタルシャンの指示に従っていただけ。彼はモルディブに置いたオロチと言い、太陽光発電衛星アポロンもコントロールできるのだろうか。香凛は表のプレイヤーで、影の主役はタルシャンと言ったところか。「貧乏な」クラリスもドロップアウトしてはいない。
武彦たちの穴掘り仕事の結末は、國子に収容所の惨劇死体を見せるだけに終わった。出来もしない約束に終わった形で、モモコをさらわれて心に穴が出来た國子をさらに落とす演出効果はあった。國子の覚醒と覚悟を促すために、涼子がここまで計算していたなら見事と言うしかないが、後味が悪いことに変わりはない。
この事件をきっかけに國子の過去を掘り下げ、新章へつなげる構成になりそうだ。

もりたけしの絵コンテのはずだが、杜孟子の別名を使う理由は知れない。武遊のグロス回。
前半のまとめと転回の話数としては、まずまず悪くなかった。ただ、シナリオの流れから仕方ないことだが、スッキリした絵がほとんどないのは残念。

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シャングリ・ラ 第8話「口紅無残」

さて、國子の再収監を2話連続で描いた狙いがわからない「シャングリ・ラ」第8話。
武彦たちの穴掘りは徒労に終わるのだろうが、直情的で馬鹿な男たちをドンキホーテのように仕立てるのは悪くない。それほど尺も割いていないし。逆に、これが何かの意味を持っているとすると、大変わかりにくい演出だ。

サブタイは死刑執行前、國子の死に際の化粧としては洒落ているけれども、脱獄を手助けしたレナやナオたちにしてみれば無残で非常に後味の悪い結末にしてしまった。もしあの演出で「武彦たちの穴掘りが到達して、全員穴から脱獄しました」だとお笑いだ。

2年前に収監されていた頃の國子が女囚たちを統べていた秘訣などを今回の収監に重ね合わせて、國子という人物の魅力を解き明かすかと期待したら大間違いだった。
爆弾雨に耐え、3日間の立ち通し・絶食の姿を見せることだけで、決して仲間意識など持ち得ない囚人たちが看守に体を売ってまで水素爆弾を入手したり、結束して脱獄の用意をするだろうか。
何も掘り下げることなく、死刑宣告の國子と囚人たち、それを楽しむ涼子に、相変わらず昼行灯の腰巾着たち、國子脱獄へと、2話分のプロットを表面だけつなぎ合わせた。

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面会に来たモモコの差し入れ品が慎重にチェックされた気配もないのは許すとしても、どうするか決めるのは國子だとアドバイスするのは良いが、その結果が「あとで助けに来るから」とお気楽に気球で去っていったように見えるのが許しがたい。
友香も何のために収監されたのだか。唇を看守に許す引き換えに國子の独房へ向かうが、烈音に見つかった時のリアクションは条件反射のように服を脱ぎ始めることだとは。
友香が男に遊ばれ刺した過去に前話で触れていたが、売女のように描くのでもなく、普通の少女がそうなる背景を描くのではなく、まったく普通に國子の傍にいて脱出も一緒であるシナリオ回しの必然性が感じられない。友香はレナやナオと同じ場所で同じ結末を迎えさせて、國子サイドから彼女たちをプレイバックして掘り下げても良かったのではないだろうか。

日蝕の日に國子と美邦が出会い、モモコとミーコが再会する。それだけの場面のために死刑宣告・脱獄編を使うことはない。アトラス公社と涼子たちが國子を見極め、何かの目的のために大きなうねりを起こす伏線だとしても乱暴な構成だし、何よりも「ためにする」話は美しくない。

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シャングリ・ラ 第7話「悲想恩讐」

「シャングリ・ラ」第7話は、アトラス公社により再収監される國子と、女子少年院の所長として登場した涼子の思惑を軸に描くが、その軸もブレているようにも見える。
前話までにアトラス内部や秋葉原、炭素経済戦争を見せておいての転換点だと思うのだが、収監までの流れや少年院内部のイジメのエピソードがショボイ。
過去に國子が収監されていた経緯を伏線回収しているのだが、どうにも友香の自分語りにフォーカスが当たってしまっている。友香も不幸臭が漂う凡キャラに見える。「ぼくらの」で似たデザインのキャラがいたような記憶がある。
遊ばれて捨てられた男を刺した友香の身代わりに少年院に入るだけの動機が、今の國子からは見られない。友香の側を描いて、ミラー効果で國子の内面をこれから描くとしても、間が空きすぎるだろう。

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涼子からアトラスランクの餌をぶら下げられた女ボスキャラにしても、小悪党に徹しきれない中途半端キャラだ。何かを隠している伏線があるものの、魅力的に見えない。
少年院のことだから、別段爽快感など期待しないが、いたぶられ地に這い、ボロボロになった後のカタルシスも薄そうだ。3日間立ちっぱなしの絶食に耐えた國子に対し、涼子の「死刑宣告」で突き落とすエンドだが、前述の通り今回は國子自身を描いていないため仕込が甘く、共感も同情も沸かないのが残念だ。
それでも次回は武彦たちが穴を掘って救出に来てからの騒動があるのだろう。
メデューサは炭素指数上昇のアメリカ市場に反応せず、木星に興味を持ったようだが、オロチの消滅に影響でも受けたのだろうか。
アトラス側の公社と政府軍、美邦らの関係も、まだ断片的なまま拡散してしまって、イマイチ興が乗らない展開が続く。

作監3人で、キャラの統一感がない。
あおきえいのコンテは月並みだが、脚本と演出はもっと何とかならないかと思う。

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シャングリ・ラ 第6話「虚構戦線」

池上永一の原作は読んでいないけれど、経済戦争をアニメに起こすのは難しいことがわかった「シャングリ・ラ」の第6話。
大野木寛の脚本をベテラン飯田馬之介がコンテ切っているが、トレーディングのシーンでは心理戦を描けずに、國子を占星術師まがいにファンタジーに演じさせるしかない。
システムトレーディングの電子戦ではオペレーターのアクションなど無意味だとわかっているはずなのに、モブキャラに取引所の場立ちのような芝居をさせてしまう演出も古臭い。

擬態装甲のサンプルを奪われた草薙の失態はお咎めなし。アトラス公社に強いヒキがあるようだが、本人にも母親にも自覚なし。小夜子が草薙の素性を探っているが、美邦と同じ剣を持っていることから、いわれのある生まれだとは想像がつく。
美邦に謁見する草薙は正直と言うより、天然ぶりを発揮して命は無事だが、絵の方は見たことのあるようなレイアウト、カットが多くて退屈だ。
地上側では草薙から分捕った擬態装甲のサンプルの件は置いといて、経済戦争がメイン。
Bパート冒頭のジャングルでブーメランを投げる國子のシーンは間延びして、棒立ちのカットも変だ。

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メデューサと似たシステムは、メタル・エイジが持っているのではなかった。香凛は日本政府を巻き込んで、そのシステム「オロチ」を炙り出す作戦を発動。政府資金で市場に介入しクウェート経済を潰し、EUをブロック経済制に追い込み、さらにはモルディブに「オロチ」の痕跡を見つける。
涼子は香凜と連携していたわけではないが、オロチの所在を米軍に通報し気化爆弾で壊滅に。
漁夫の利を得たのは、暴落後のクウェートへの融資実行日に米ドルが暴落することを予想していた涼子だろう。オロチを作ったのはメデューサと同じタルシャン。メデューサを成長させるために、オロチを犠牲にした。香凜の関係者のようだが、奥が深そうだ。クラリスはクウェート投資で破産か。

國子が地上の異変を感じるのは何かの伏線だろうか。今回の経済戦争の前振りだけだとすると不自然。尺埋めかもしれないけれど。
トレーディングシーンでは國子が喋りすぎ。主人公・ヒロインが饒舌に事態を解説するシナリオなど興ざめだ。ヒロインを補佐する強力なサブキャラが不在であることが影響している。頭脳戦ではモモコは役に立たない。サブキャラはサブキャラのままで、ヒロインのポジションを食いそうな活躍をする予感が全くないのが残念だ。
敵方キャラにしても表裏の片面しか見せる様子がなく、ドラマティックな展開が期待薄なのが残念。フォーマットに従って淡々と描く恐れがある。
地上のシーンも動きが悪く爽快感なし。
話数を重ねるごとに「良くない方のGONZO」が頭をもたげてきたのは、制作が順調でないのではないかと疑ってしまう。厳しい2クールになりそうだ。

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シャングリ・ラ 第5話「乱心嵐舞」

「シャングリ・ラ」第5話、2クールのシリーズだから序盤の停滞感も許容範囲かもしれないが、そろそろシナリオのベクトルが見えても良い頃だと思う。主要キャラは顔見せも終わっているようだし、意図して秘した欠落もないと思うが、あまりにも万遍なく伏線を撒いてしまった気もする。回収時に思い出すのが大変になりそうだ。
そんな中でヒロイン國子のキャラが立っているようで立っていない。登場カットこそ多いものの、出所後の意気込みも何処に。序盤こそ己の運命と世界の行方に無自覚な主人公は問題ないが、彼女の成長を描くだけでは小さくまとまり過ぎるだろう。

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今回は秋葉原での國子と草薙の遭遇が中心。今後、剣を巡って地球とアトラスの運命を決める気配がする二人の関係を掘り下げるのには必要だろう。
しかし、この作品全般に感じるところだが、プロットを羅列しただけの印象が強く、シナリオから演出までが肉付け仕切れていない。アトラスと地上の生活に根ざすお互いの溝は埋まらなくて当然としても、國子に豹変させて一方的に話を自演オチしてしまうのは能がない。
「マジカルギーナ」のモデルは、若い頃の凪子婆ちゃんですね。ナギ--->ギーナ。
これを知ったからには、スピンオフ作品など出来ない方が良いと思えてくる。
中村深雪作監回で期待したが、それほどでもなし。國子のキャラが安定しないのが難。

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シャングリ・ラ 第4話「超秋葉原」

純粋なのか外の世界を知らぬが故か、美邦はオカマやドM野郎には寛容だ。これならば超秋葉原の老オタクもアトラスに迎えてもらえるだろう。
印を持つ3人、國子、国仁、美邦には共通で「クニ」を意味する名がついているが彼らの親には共通の秘密でもあるのだろう。
「シャングリ・ラ」はまだ4話目でシリーズ序盤に過ぎないが、2クール持つのか少々不安な出来栄えだ。各話にキャラ作画の個性はあっても構わないのだが、基準のキャラ表がどれなのか怪しい。一番表情が安定していないのは國子。ドゥオモで鬱々とした表情は別人に見えてくる。
いつもながら、こっそり自社広告を仕込んでいるアトリエムサの背景はまずまず。

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裏取引の舞台、秋葉原は相変わらずのオタクたちで活況の模様だが、リトル香港化して
いる。
劇中キャラ「マジカルギーナ」のアイキャッチは村田蓮爾。劇中アニメをAICにグロスさせるノリはGONZOらしい。まさひろ山根も最近はメカ描くことが少ない気がするが、AICをベースにすると無理からぬことかもしれない。
「マジカルギーナ」がスピンオフで作られるかと期待すると裏切られるだろう。「N・H・Kにようこそ!」でも「魔法少女プルリン」は劇中劇キャラ以上でも以下でもなかった。

炭素市場を牛耳っている香凜だが、彼女の「メデューサ」に対抗する取引システムが存在する模様だが、婆ちゃんの地下室のシステムがそれだろうか。
秋葉原ジャンク街に潜入した國子たちと草薙とのバッティングの結果は?
イヤリングでの美邦とモモコの共通点の謎など興味は尽きないのだが、ワクワクする感じはない。オタクのなれの果てを見せられても、我が事のようで胸が痛む。面白いと思ってのエピソードなのだろうが、滑りすぎだろう。
アトラス内部を見た國子がマイナス方向に覚醒している現状の打破がないと、舞台を変えてもドラマは進まない。先を急がせるつもりもないが、さっそく煮詰まった印象は良くない。
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