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カテゴリー「東のエデン」の記事一覧

東のエデン 第4話「リアルな現実 虚構の現実」

自ら消したとされる記憶と過去の行動を求めて、滝沢は5番目のセレソンと対峙する「東のエデン」第4話。前回の近藤刑事の場合は、ノブレスオブリージュの権利を私欲に使い過ぎたのだろう。彼を刺した妻がサポーターとは思えないが、因果応報で終わらせてしまうのは惜しかった。
今回の火浦は100億円のチャージを使い果たし、最後はサポーターに殺されたのだろうが本望だろう。火浦は国民の一部、高齢者福祉と家族のためにしか使うことが出来ず、国を導いたとまでは行かなかったのだが、理想郷の実現で彼の正義は貫けたのだろう。その目的のために政治家や役人に賄賂を使ったとしても。
その力の使い方のスケールと方向感の対比で、近藤は火浦の引き立て役にはなっている。その分、火浦の行動が美化されすぎだろう。

滝沢の自分探しの旅でセレソンたちと出会う構成を繰り返して欲しくないところだが、滝沢が2万人のニートを隔離し何をしたのか、ミサイルの爆心地に滝沢とじゃれあう幻想の生き物は何を意味するのか、ワシントンへ向かい何をしたのか、彼の記憶をなぞりパズルを組み立てる構成だとこうならざるを得ないかもしれない。
滝沢の記憶がないのは良しとして、滝沢を知る人が誰も現れないことは少し無理があると感じる。自分の記憶は消せたと仮定しても、自分を知る他人の記憶は消えない。その実行が滝沢の目的だったのだろうか?自分を知る人間と記録を全て抹消することで、彼は自身の歴史を変えることができる。
滝沢の目的遂行のため、ワシントンで咲は消されるところだったのだろうか。「何か」が咲を消すよりも自分の記憶を消すことを滝沢に選ばせたのかもしれない。

今回は森美咲は本線に絡んでこないが、彼女の私生活のぎこちなさ、外泊を嘘をついた友人たちとの関係の変化などが今後の伏線だろう。
コンテと演出はパッとしないが、悪いと言うことでもない。滝沢の回りこみ描写はしつこかったが。
マジックバスのグロス回。
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東のエデン 第3話「レイトショーの夜に」

咲の外泊のアリバイ工作もむなしく、彼女は一人(+一匹)でオールナイト映画を見ただけで朝を迎えた「東のエデン」第3話。その夜の事件は舞台でも観客席でもなく、映写室の中でセレソンの男同士の無粋な争い。サブタイほどは美しくない。

記憶を消した滝沢の過去と使命。それは近藤刑事が滝沢のチャージされたノブレス携帯を狙う中で補完してくれる仕組だ。そして滝沢自身も彼の住所だったと言う豊洲のショッピングモールで、少しは思い出すこともあるようだ。ニート大量失踪事件は滝沢の仕業で、ショッピングモールを買収し一気に抹殺を企んだと推測されるような経過だが、それが彼のセレソンとして果たそうとした目的かと言われると未だ怪しいところがある。まして「迂闊な月曜日」のミサイルと滝沢とを結びつけるのも難しい。滝沢のチャージ金から、ミサイル分は使われていないようだ。他のセレソンを謀ったとも想像される。視聴者に予断を与える作りになっているが、真相は簡単に明かさないようだ。
その中で咲の役割は一旦クリアされたようだ。

ほぼ1話1日単位で進むシリーズで、これで滝沢サイドのプロローグは終わったようだ。近藤刑事を使って、セレソンとしての理想と金に溺れたなれの果ての現実を上手く回してきた。
滝沢に直接手を下させず、近藤の妻が「エンジェル」役で刺殺犯としたのは悪くないが、愛人宛てメールを誤送信した結果とは淋しい気もする。早朝の歌舞伎町の犯行で、近藤を簡単に殺してしまったのは惜しい。
次は残り10人のセレソンの誰かの口から滝沢の新事実を語らせるのか、咲サイドの話に移るのか。
セレソンの目的と記憶探しの謎解きパズルも楽しいが、もう少し人間ドラマも見たいと思う。中盤の展開に期待したい。
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東のエデン 第2話「憂鬱な月曜日」

帰国直後の咲と滝沢の前に新たな展開を見せ始めた「東のエデン」第2話。
11日間の物語を各話1日、全11話で描いて、仕上げは劇場版なのかもしれない。
到着地が成田から羽田に変更された飛行機。11発目のミサイルが航空機を撃墜したニュースが流れる中、滝沢のノブレス携帯のコンシェルジェ手配により、込み合った空港を脱出。セレソンに許された、いやコンシェルジェは権利ではなく義務だと言ったが、使命を果たすための権力を滝沢が行使したと言うことだろう。その権力行使の裏づけがノブレス携帯にチャージされた100億だ。事故の生存者2名も今後の鍵を握るのだろうか。

この「ノブレス・オブリージュ」がキーワードだが、日本を救うためのセレソンに求められるものだ。
滝沢が9番のセレソン、競馬場の外で油を売っていた刑事の近藤もセレソン。近藤は7000円ほどしかチャージ残金が無いが、「今まで死んでいた9番」の滝沢の「チャージ金を使う義務」だけを狙うようだ。100億全額使う義務と同時に、金があろうが無かろうが責務を果たす義務が「ノブレス・オブリージュ」たるセレソンにはある。近藤は金を使い尽くす義務は果たしたが、後者は遂行されていない。
コンシェルジェは義務遂行のためであると判断すれば、人殺しさえ行う。ヤクザに借金で追われた近藤の依頼で、コンシェルジェの組織はヤクザを殺させる。あの距離では短銃ではなくライフルだろうが、パトカーからの銃弾はヤクザ2人と目撃者1人を始末する。

滝沢のノブレス携帯のチャージマネーの使い方が近藤の携帯からはわかるようだ。滝沢は使い方を知らないのか、リセットが原因で他のセレソンの行動がわからないのか。
近藤が見た滝沢の利用履歴は、米国に渡る前に豊洲のショッピングセンターでの多額の買い物と、弁当2万食出前の記録が。第1話のアパートにあった大勢の裸の人の写真はこの時のものか。
死者も出なかった「迂闊な月曜日」のミサイル着弾地点は豊洲。彼のパスポートに記された住所も豊洲。記憶を消す前の滝沢と名乗る男が、何を見て何をしていたのか、これから明かされることになるのだろう。滝沢の行動に近藤の野望が絡み付いて展開して行きそうだ。
他のセレソンたちがどの程度関わるのか、ただ一人のセレソンになるまで殺し合いをする流れではないと思うが、11話の尺でどのように展開するだろう。

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咲が滝沢に促されて生い立ちを語る船乗り場のシーン。
滝沢の目立つ行動に隠されて、単なる夢見がちな女の子に見えてしまうが、意外と謎が多い。単なるスイーツなヒロインではないと確信している。
旅行で同行していた友人たちも登場していたが、姉夫妻と同居する彼女が「世話になりっぱなしで肩身が狭い」と思う原因や、亡くなった両親の事故原因と咲の関係など、疑って見てしまうのは私の性分なので仕方ない。
ワシントンD.C.で滝沢が記憶を消して彼女の前に姿を現したのは、咲に原因があるのではないかと疑っている。見てはいけないものを滝沢は見たのではないか。さすがに彼女がテロリストってことはないと思うが。

シナリオに骨太という印象は無いが、話を構成する要素にこだわっているのが窺える。
ミサイル攻撃にも「迂闊」だとか、危機感の無い市民の表情など、この国の空気にどのような切込みを見せるのか、楽しみにしている。

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東のエデン 第1話「王子様を拾ったよ」

ノイタミナ枠の作品のレビューは「図書館戦争」以来かもしれない。こちらもアニメーション制作はProduction I.Gだ。
TAF2009のフジテレビ、Production I.Gそれぞれのブースでのプロモーションフィルムを見て、意外と良さそうだったので視聴してみようかと思った。
「東のエデン」は珍しく原作なしのアニメオリジナル作品で、監督の神山健治が原作と脚本も務める。羽海野チカのキャラ原案をキャラデの森川聡子が上手く生かしているといった印象を受けた。

第1話はワシントンD.C.での日本人旅行者でヒロインの森美咲(もり・みさきかと思ったが、もりみ・さき)と記憶を消された男、滝沢朗(偽名)のガールミーツボーイを描く。
背後に何らかの意図を持った組織の影に操られるかのように、テロリストへの道を自覚無く歩み始める滝沢。全裸の演出や滝沢の振舞いには違和感があるものの、異国で王子様と出会ったヒロイン視点でファンタジーな演出だと思えば有りだろう。
記憶を消され、アイデンティティーの無いまま、偽造パスポートを手に日本へ発つ彼の無邪気さと言うか屈託の無い表情は、ちょうど放送中の「Phantom~Requiem for the Phantom~」の主人公ツヴァイと対比してみると面白いかもしれない。

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指示されたアパートの部屋の銃火器と多数のパスポート。ヒロインのパスポートと同じ生年のパスポートを選んだ主人公、そのパスポートに書かれていた滝沢朗が記憶の無い彼の当面の名前となる。不要なパスポートをトースターに突っ込む演出に既視感があるが、雰囲気は出ていた。しかし繰り返しになるが、主人公の屈託のなさがそうさせるのか、過去の裏方仕事で手馴れていただけなのかイマイチピンとこない。第1話でキャラの背景まで掘り下げるのは性急だろうから、追々わかってくる仕掛なのかなと思っている。
主人公の全裸手配写真を手に職務質問をする女警官に対して、ズボンを脱ぎ下半身を晒して職質を逃れられた演出はわかりにくいのではないだろうか。特に女性視聴者には。

森美咲を演じる早見沙織は、今までファンタジードラマのヒロインばかりだったが、この現代風ドラマのヒロインとしての演技は、声質の素直さを生かし等身大で親近感がある。
演出の細かな点には疑問もあるが、ワシントンD.C.の街中を駆け回るカメラワークと背景の立体感は良い出来だと思う。これから日本に向かう二人に飛び込んだ「東京にミサイル」のニュースから、次回につなげるプロローグとしては悪くない第1話だと感じた。話がサスペンス方面に展開したときに、どのようにドラマ作りをするのか、興味を持って視聴を続けたい。

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