あらかたのドラマは前回までに片付いていたので、最終話は火村と優子のフォローと出演者の今と未来への希望を描いた、まとめの第12話。妙な仕掛けをすることなく、大沼心監督は王道の演出で、群像劇「ef - a tale of melodies.」を締めくくった形だ。
雪の音羽(日本)に戻った火村は、果たせなかった優子とのクリスマスの約束へ。「愛していた」「愛していました」全て過去形で語られる愛の言葉が切ないが、失ってみてわかる大切な形・言葉・匂い・肌触りが二人の感情とともに画面から押し寄せてくる。
群像劇を演じる若い者たちへのナビゲーターとして、ずっと裏方でもあった優子と火村の物語は終わった。悔いがないはずはないが、それでも未来を信じる大人の役回りを火村は続けてゆくに違いないと感じさせる。子供にはわからない、心に過去の痛みと刺さった棘を残しながら生きてゆく大人のおとぎ話として優れたシリーズだった。
エピローグパート「ef」でオーストラリアの音羽の丘で、火村とミズキの姿。
彼女をはじめ、若い人たちに未来を託す火村の想いが伝わる。「お父さんみたいですね」とミズキの言葉は、あながち間違いではない。
震災や事件、事故により引き裂かれた願いを、次の世代につなぐ意志を感じさせる終わりだった。
天門とminoriサウンドチームの強力な音楽をバックに、作品タイトルに恥じない、少し悲しいメロディアスなシリーズ。
最終話のエンディングはOP曲「ebullient future」の日本語バージョンがかかったが、ELISAのボーカルは英語・日本語のいずれでも不思議とキャラが立ってこない。無個性ではないがオーケストラの一部として楽器のように溶け込んでしまう。
そしてヒロインたちが歌う「ever forever」も流れるダブルエンディング。
脚本:高山カツヒコ、絵コンテ:島津裕行、演出:大沼心、作監:杉山延寛


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