温泉に入りながらの風音お姉さまの解説により、スペースコロニーの歴史とAI搭載のブレインコロニー同士の闘争、それに関わった獅子堂の振舞いなど、我々も秋葉と同じ程度には理解できたようだ。しかし、なぜ「宇宙をかける少女」と秋葉が呼ばれ、「キング」レオパルドの「クイーン」として彼女がなぜ選ばれたのか、核心まではまだまだ遠い。
前話でようやく序章、シリーズのオープニングを終えた「宇宙をかける少女」は第8話。「起」の次に「承」のパートを展開する前の状況整理回。
設定説明に終始するわけではなく、温泉回のノリや怪獣バトルに首なし幽霊などのパートを組み合わせながら、反応炉暴走を防ぐためのゴールデンオーブの冷却装置奪還のミニドラマを組み立てているから、構成も脚本も侮れない。
多くのキャラクターが登場したのにも関わらず、話中でキャラ立ちさせることを怠っていない。
引きこもり童貞的な振舞いのレオパルドの扱いは、秋葉を除く獅子堂姉妹たちは妙に手馴れている。風音はお姉さまの手管で、桜は玩具を扱うように無邪気に。高嶺はニュートラルで、バトルシーンが持ち味だ。それにしてもポイントカードやらロールペーパーの芯やらボトルキャップのコレクションを晒されたレオパルドが惨めだ。
ほのかは獅子堂家を敵視していないが、完全に心を許しているわけではない。
「聖地エニグマ」とは暗号や謎を指すのか、ゴールデンオーブのように禁句を言い替えたのかわからぬが、ほのかはこの場所に案内することを拒んだ。レオパルドと共にある彼女の謎はまだ深いが、見かけより実年齢は高いのだろう。
いつきの空回りは相変わらずだが、元・怪奇課の本領発揮で首無し幽霊の除霊シーンは久々に見ごたえがあった。この仕事振りと比較した秋葉が「私は何も無い」とへこむのも久しぶり。いつきが両親を失った過去の事件の回想に二人の機微を織り交ぜている。
完全放置気味だったナミが「私なんか、誰も…」と暗い顔でわずかばかりの出番があったが、彼女は中盤以降のキーキャラクターで温存中なのだろう。
ラストはコロニーを切断する巨大チェーンソーの登場で次回へつないでいる。この引きはICPのブーゲンビリアとミンタオの凸凹コンビに出番をあげる貴重な機会。サブキャラといえども放置せずに、それなりに舞台を与えているのは好感が持てる。
大事件の無いつなぎ回だが、樋口達人の脚本に京極尚彦のコンテ・演出は充実している。






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