自分が可愛く嘘つき、親友と呼べる存在はあるけれど、あまりにも不確か。今の自分も、進むべき道もわからない少年少女たちに許されたモラトリアムも終わりに近づいたようだ。
そんな見た目平和、実は危ういコミュニティーに投下された「恋愛」の火花も臨界点に達した「とらドラ!」の第23話。
「自分が可愛い嘘つきたちの話」は「ef」でも感じたが、こちらは高校生らしく深刻さは少ないように見える。しかし絶望の深さや、問題点の掘り下げ、キャラクターの感情の掘り下げ、絶望の底の深さなど、個別に見ると浅い点が見られる。その分、カタルシスが描きにくいと思うが、これ以上にドロドロとさせないほうが良いのだろうか。個々を縦に掘り下げるのではなく、キャラクター間の相関の揺らぎで表現しようとしているのだから、これが作風だと理解したい。
少し語り足りないと感じるのは、みのりんのバックボーン。残り2話で怒涛の展開は無さそうだから、みのりんにはもう少し語ってもらいたいところだった。竜児・大河・みのりんと、捩れた三角関係を擬似的に構成したが、みのりんの頂点が弱い。だが当て馬と言うほどには、彼女のキャラは薄くもない。
亜美はキャラを掘り下げない分、一歩引いた位置でこのドラマに干渉する役がマッチしていた。大人の立場に彼女を置いたから報われない点も多いけれど、自分の役割を最も上手く演じたヒロインだろう。



さて、残るは自分の気持ちに向き合う事をせず、今の自分のポジション、自分の運命に従う事を最善と偽る二人、竜児と大河の物語で幕を下ろしそうだ。
大河が4人にバレンタインチョコを渡す教室のシーンは、解決に向けて力技で捻じ伏せるような展開に感じたが、察しの良い亜美と北村、察しすぎてきたみのりんに免じて許しても良いだろう。




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