「夏のあらし!」第11話。昭和20年3月10日の東京大空襲から間もない頃、ちょうど工場の休電日の演芸会が行われる日にタイムトリップした一とやよゐ。やよゐと加奈子の馴れ初め、幽霊として消えゆく運命を受け入れようとするやよゐと抗う加奈子のコントラストを描き、二人の伏線は一通り回収したのだろう。
コントラストの強い夏の光は使わず、何度となく繰り返す二人の夏の閉塞感を、回想シーンと共にセピアのトーンで統一している。
ラジオが告げる東京大空襲のニュース、市街地に艦載機が単機侵入しての機銃掃射など、市民生活にも戦況の悪化が感じられる構成になっている。その反面、商店街を歩く市民は一見平穏で、そこに見せるギャップは戦時下の市民生活の逞しさを映し出してもいる。
5月の横浜大空襲で市民生活が炎に呑まれることを知っているやよゐだけが、平静でいられない。
丘の上で過去を独白するかのようなやよゐだが、一のことを「兄さん?」と呼びかけた演出がわかりにくい。







未来から来たやよゐが過去の加奈子を機銃掃射から身を挺して守ったことにより、育ちの違いから女学生のお嬢様たちを憎んでいた加奈子にもやよゐ気持ちは通じたようだ。演芸会でのやよゐのピアノ演奏を廊下からのぞく加奈子からの「ありがとう」と謝罪に、「心配かけてごめんね。それから、ありがとう」と切り返すやよゐの方が大人だ。そんな無垢なお嬢様に惚れてしまった、純情な少年のようだ。加奈子は。
夢中で加奈子を庇ったことで、無意識に歩くことが出来た加奈子。
現在からはグラサンと通じた加奈子がやよゐを迎えにタイムトリップしてきた。この先は運命を受け入れつつも次の夏を待ちながら二人静かに暮らすのだろうか。
ただ、横浜大空襲をどのように見せるのか?その時はあらしたちをどのようなポジションに置いて描くのか。それとも見せないで終えるのか、残り2話の興味はそこにある。
演芸会で「早春賦」を歌うのはあらしとカヤ。あの時代もセーラー服姿で、お嬢様然としながらも気取るところはない。Cパートではマスターや潤と共に、現代での小ネタ担当。
エンディングは加奈子が歌う「喝采」をバックにスペシャルバージョン。
堀江由衣が歌う「喝采」はタメとコブシが効かずに、単調だった。





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