TVシリーズの尺で考えるから展開が早いような気もするが、恋愛まで進むか進まない付き合うか付き合わないレベルの中高生の機微を丁寧に汲み取っていると思う「true tears」は折り返しの第7話。人間関係を整理しておく。
【メインルート】
石動乃絵<--(雷轟丸の代理から恋愛感情へ)-->仲上眞一郎<--(義兄妹疑惑)-->湯浅比呂美<--(付き合うが恋愛感情はない)-->石動純
【サブルート】
仲上眞一郎<--(踊りの仲間・愛ちゃんの片思い)-->安藤愛子<--(眞一郎から紹介されたから付き合っている)<--野伏三代吉
恋愛感情として「好き」だと意識し始めた乃絵と眞一郎。味わったことのない複雑な体の反応と感情に動揺して戸惑う乃絵の純粋さに笑いたくもなるが、狙いは外していない。
「俺と付き合えよ」の眞一郎に「ちゃんと言って」「ここに書いて」の慎重すぎる乃絵に、今まで何かに期待し失った過去があるのではないかと思えるのだが、明かされていない何かから乃絵の心が救済されて行く様を描く。しかしこの先に宿命に縛られ、不幸が待っているような気がしてならない。乃絵の幸せを急いでいるような気がする兄。
好きでもないのに比呂美と付き合う、シスコン気味の石動純の奇妙な行動原理もわかる時が来るのだろう。
そうなったらそうなったで、眞一郎の母の言う義妹疑惑解消と共に、眞一郎と比呂美の関係が再び大きく動く波乱要因にもなる。
サブルートの核、愛ちゃん。
好きだった眞一郎から頼まれたから三代吉と付き合っているのは明らかになったが、きちんと言いかけたところで最後の言葉を三代吉に止められ、生殺しになったのはつらい。
つらい三代吉も眞一郎に「いいぜ、俺、お前なら」のウホッ!告白と勘違いされたが、愛ちゃんを譲るとしてもなかなか割り切れるものじゃない。
乃絵と付き合うことを報告に来た眞一郎に、愛ちゃんの「あたしのことも見てよ…」そして強制キス。
積極攻勢に出た愛ちゃんだが、メインルートの整理もつかない中で眞一郎どうする?
各ヒロインたちには純粋と言うにはあまりにも強引で勝手なところが見えるが、独占も恋愛なのだからこのシナリオと演出でいいと思う。
脚本はシリーズ構成の岡田麿里。
雪が降りだす頃の立山連峰と町並みや神社や学校などの背景も美しく、物語の質感を高めている。
あまり触れる人もいないだろうが、眞一郎の母親があれほど嫌な感じに見えるのはさすがの高橋理恵子の演技だと思う。




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