行き場を失った比呂美が望む「雪が降っていない街」
仲上家に引き取られた時の雪の記憶と眞一郎の母の言葉が重なり、比呂美の心が軋み出した「true tears」第8話は、降り続く雪が街の景色とキャラの心象をを彩る。
愛ちゃんからの不意打ちのキスと告白に、幼なじみお姉ちゃん&親友の彼女以外ではないと速攻でフラグへし折る眞一郎。彼女の想いと勇気を「忘れるから、なかったことに…」とは乙女心をわからないも甚だしいが、高校生男子を等身大に投影するとあながち間違いでもないだろう。
三代吉の想いを婉曲に断り退路を絶ち、眞一郎とのワンチャンスに賭けた、ヒロインの中ではいちばん生身の「女」を感じさせる愛ちゃん。このまま淋しく終わらせるには惜しいが、どうするか。
ひとまずスクエア関係から、一本へし折ってトライアングル関係に逃げた眞一郎は乃絵との関係を急加速。Aパートは劇伴の「リフレクティア」に乗せて、眞一郎と乃絵のラブラブスペシャル。
しゃがんだ眞一郎を抱きしめる乃絵の肩越しに見る空。中断していた絵本も雷轟丸をモチーフに執筆再開の眞一郎と続きを楽しみにしている乃絵。
眞一郎の踊りの晴れ姿と絵本の完成を「冬の終わり頃には」と期待する乃絵が期限を切っているのが終盤の伏線のような気もするが、今は純粋すぎる恋愛のさなか。
「もっと、もっと好きになってもいい?」
この天使のような笑顔に、比呂美が毒を吐く気持ちもわからないでもない。
その比呂美の折れそうな心と気持ちの行き詰まり。
眞一郎の母親が写真から切り取った比呂美の母の顔やアルバムを燃やし、邪険に比呂美に当たる理由は明かされずに引っ張ったまま。「おとなしそうな顔をして簡単に男の心つかんで」と夫と息子が比呂美に篭絡されているようで面白からぬ様子。
愛ちゃんとはまた違って過去の事情も含めて「女」の情念の深さを感じさせる比呂美だが、眞一郎の母から受けた仕打ちを他人にしている。
朝の洗面所で眞一郎に「仲いいのね、石動乃絵と」と軽いジャブ。
「そんな無邪気な顔で眞一郎の気持ち掴んじゃう」と乃絵にストレート。
乃絵の兄の純も謎の態度が続くが、フリースロー勝負で勝った比呂美が聞き出せたことは、過去に付き合った乃絵の男の数はゼロ。そして純はシスコン。
もう一つは比呂美とは眞一郎から頼まれたから付き合っているが、交換条件の眞一郎は乃絵と別れられては困ること。妹の何らかの事情で、時間が限られている事をうかがわせる。
外面は美人で勉強もスポーツも優等生な比呂美の内面は追い詰められていたのか、「ここに来たのが間違いだった」と眞一郎の母に言い返して家を飛び出し、乃絵の兄の純を試すかのように雪の街にバイクを出させ「雪が降っていない街」へ。
眞一郎の母の言うように母親と同じで「男たらし」の小悪魔なのか、屈折した気持ちがそうさせるのか。
彼女の過去と仲上家の関係が明かされるまでの秘密だろう。




本編はもちろんだが、オープニングだけのためにDVDを買ってもいいかと思わせる

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