羊飼いの少女ノーラの登場で始まる「狼と香辛料」第9話。
リュビンハイゲンへ盗賊団を避け狼が出るらしい山道ルート。牧用犬エネクを従えたノーラを狼避けに雇うロレンスだが、ホロは面白くない。
ロレンスに対するヤキモチではなく、狼の敵と道中を共にするのだから当然。しかもオナゴに脇の甘いロレンスを案じているからでもある。いや、約束のリンゴのハチミツ漬けが食べられなくなる事態を恐れているのかも。
Aパートはノーラの置かれている状況をロレンスとの語りで簡潔に説明してみせる。尺が短く感じるがセリフが多く濃密だったからだろう。ホロのセリフは少なめ。
修道院の救済院で世話になった後、素質のあったエネクを拾った事が契機になり、教会の司祭から羊を預かり暮らしを立てているノーラ。ライバルの狼の立場から、ホロが上の中と判定するノーラの羊飼いの腕。待遇に満足している様子ではないが、教会から受けた過去の恩と権威の前に自分から積極的に条件の交渉など出来ない様子。
Bパートでリュビンハイゲンの街に入ってから教会の司祭の前で見せたノーラの複雑な表情が、何らか抱える事情を映し出している。野心あるクロエと違い、ノーラはロレンスとホロに敵対する関係にはならないだろうが、教会とリュビンハイゲンの街の事情に商売が巻き込まれる事もあるかもしれない。
仕立て屋の夢を持つノーラに、副業であれば羊飼いを続けながら副業として道案内のアイディアを与えるロレンス。ロレンスは案内料としては過分な47交換レート相当のトレニー銀貨を与え、ラムトラ行きの不気味な森ルートの道案内などの伏線を張ってから、ノーラと再会を期して一旦別れることに。
教会都市でもあり城塞都市でもあるリュビンハイゲンに、同行するノーラのおかげかスムーズに入れたロレンスとホロ。積み込んだ20式の武具に対する関税は10%。税吏は「今さら武具?」という表情で検査をし現物で2式納める選択をしたロレンスに対し「現金納付よりも賢明な判断」と言うような態度。
前話でも触れていたが持ち込まれる武具が多すぎて価格下落傾向なのか、盗賊団の南下に関連して武具の需要が無くなったか、いずれにせよロレンスのピンチの予感。
しかもラトペアロン商会の2倍の信用枠で武具を買っているから、決済期限までに精算しないとならない。
なお且つリュビンハイゲンのレメリオ商会と相殺勘定で決済しようとしているから、武具が買い叩かれるとロレンスは決済できない可能性もある。
賑やかな街の屋台でホロ酔いになったホロを連れ、ロレンスが向かったのはローエン商業組合。
行商人の宿と酒場でもあり情報交換の場、同郷の商人の信用組合のようなのもだろう。
ロレンスの立ち回り先を調べる男の登場は、ロレンスのピンチを予感させて引くが、窮地を救うのは賢狼ホロか商業組合か大穴でノーラなのか、原作をまだ我慢して積んでいるから痩せ我慢的な楽しみが味わえる。そろそろ第1巻は読んでも大丈夫だろうか。
教会とノーラが黒幕かと予断させているけれども、クロエの件から錯覚させる吊りだと予想しておきたい。

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