ポロソンのラトペアロン商会の天秤の不正を暴き、武具を半値で買い叩きさらに2倍の信用買いをしたロレンス。武具の需要が増えていると言われるリュビンハイゲンで売却し儲ける算段に暗雲が立ち込める「狼と香辛料」第10話。
宿屋でホロの言った「策に溺れる」とは、ロレンス自身に降りかかってきてしまう。
ロレンスのホロへの告白ともつかぬ無意識の告白に、投資として桃のハチミツ漬を要求する当たりの掛け合いは楽しい。
その反面、取引に失敗し破産に危機を迎えるロレンスの突き放した態度に、寂しそうに去るホロの表情が悲しい。
今話は取引の経過に尺が割かれている。この取引がどのような意味を持つのか、ポイントだけ列挙しておこう。
・ラトペアロン商会の信用枠で購入し、その決済はレメリオ商会への売掛債権と相殺
・ラトペアロン商会の債権はレメリオ商会に譲渡された(倒産か?それとも出来レース?)
・早馬の情報でラトペアロン商会の振出した手形をロレンスが持っていることをレメリオ商会は知っている
・ロレンスはレメリオ商会に信用分の決済(返済)をしないとならない
・その信用手形100リュミオーネのうち、47と3/4リュミオーネは明後日までの決済期限付き
・ロレンスの依頼で、信用手形にローエン商業組合の商館主は裏書をした
・ロレンスが決済できない場合はローエン商業組合が決済しないとならない
・商館主はアドバイスはするが、商売人の掟で簡単に貸すことはない
・価格暴落(理由は不明)で買い手不在、ロレンスの持つ武具は儲けるどころか100リュミオーネの価値はない
・リスクヘッジでカラ売り(信用売り)しておく手も有ったのだが、そもそもロレンスは武具の価格低下の情報を掴んでいなかったし、「してやったり」と浮かれていた
さて、ロレンスの解決策は?
・知人に金策をして回る(今話で実行したがダメのようだ、破産目前の奴には貸せない)
・損を承知で47と3/4リュミオーネで武具全部叩き売る(リュビンハイゲンに買い手がいないだろう)
・武具の需要のあるところで売却(街を出ないと売れない)
・ホロに助けてもらって北に逃げる(商人の生命を絶つことになるから、これはない)
やはり解決のカギはノーラが持っているだろう。
ロレンスが道案内の報酬に与えた銀貨がロレンスを救う事になるかな?47リュミオーネ相当をトレニー銀貨で渡しているから、銀貨騒動のときの経済情勢からさらにトレニー銀貨の価値が上がっていそうだ。
ロレンスの事だから単にノーラから借用し期限付き分のみ決済するだけでなく、手形の未決済分と利益まで得るだろう。
ロレンス自ら動けなければ、ノーラの手を借りて武具を信用売りするか、現在持つラトペアロン商会の手形で相殺するか。それにはノーラだけが案内できるラムトラ行きのルートや、傭兵団の動きが関係してくる。
何よりノーラがそのつもりにならないと無理だろうが、魔法使いの噂や羊飼いとしての境遇など教会との関係が彼女を後押しさせると思う。
たぶん原作に沿って進んでいるのだろうが、まだ読まないで積んでおこうか…
読んでいなくても、取引の経緯は伏線も含めて理解しやすい優しい構成になっている。
ちょっとホロには可哀想な今話の後半だったが、絆を深める過程でのささやかな行き違いである事を祈ろう。ノーラがカギを握っているとは言っても、最後に決めるのはホロの後押しに違いないだろう。




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