はやみと琢磨のハッピーエンドで幕を引いた「H2O ~FOOTPRINTS IN THE SAND~」だけれども、この第10話のアバンでは二人のキスを陰から見つめる神楽家当主(村長)の目が…
なかなか凝った新章のオープニング。
琢磨と同居することになったはやみの、掃除機や洗濯機の使い方を知らない文明生活とのズレっぷり、朝から田んぼで捕ってきた蛙のから揚げを作る逞しさに、新婚生活を覗き見るニヤニヤ感あふれるAパート。クラスメイトたちのはしゃぎっぷりと、ひとり灰になっているゆい様のギャップがおかしい。
そんなささやかな幸せを暗転させる村長(神楽祖父)のひとこと。二人を待ち受けてまで伝えるのが芝居がかっていて、演出としては悪くない。
琢磨の叔父の話で補足すると、小日向の家の者と結婚するはずだった母は弘瀬父と出会い駆け落ちをして琢磨を生んだ。弘瀬家は仕方なく認めたものの、小日向家はその後も母を追い詰めて自殺に追いやったと。
叔父の話の裏づけもあって、この話を信じた琢磨ははやみとの関係もギクシャクしている。台風が近づく日、夢を見た琢磨ははやみに「謝っても母は帰ってこない」と痛い仕打ち。
はやみは琢磨からは精神的に打ちのめされ、ゆいの手下からは殴り倒されて、いつか見たような重苦しいループに落ちてゆく。また心を閉ざして全てを拒むはやみになるのか、この前後半のギャップを表現する櫻井浩美の演技が良かった。
一方の琢磨のトラウマに触れたことにより、イタイ行動を取るダメ主人公のお決まりパターンだが、二人とも同時に救済するシナリオをどのように書いてくるのか、期待しておく。
めまいがするような表現もあったから、また目が見えなくなり、はやみとの関係も振り出しに戻るなんて救いのない結末だけは見たくもないが、音羽の力で神がかり的な救済も見たくない。
音羽(ひなた)の想いを受け継いだほたるや仲間の手で救われるドラマを期待したい。
絵は残念な出来。紙に書いたお面を付けたような表情変化に乏しいキャラ。ダンガン(DUNGUN PICTURES)のグロス。



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