主要キャラが揃った中で、それぞれが見せる表の顔の裏に隠れた事情を漂わせる「紅」第3話。
真九郎が見せる本当の笑顔と偽りの笑顔を直感で見抜くのは紫。世間を何も知らないからこそ、人を見る目は鋭い。
夕乃に見せる真九郎の親しさに対し、夕乃を「卑しい女」とか「怪しい女」と評するのも、歪な力関係を感じているのだろう。
紫の見ていないところで動くパートでは、嫉妬女に見えそうな銀子の真九郎の幼馴染みとしての感情と情報屋としての協力関係の機微を映し、メールと電話の使い分けも彼女の隠れツンデレ的なキャラクターとして面白い。
学校に男漁りに来る環が一番表裏がないから、紫も懐いているのだろうか。
自分には見せない笑顔を夕乃へ向ける真九郎、電車の不良学生に頭を下げ愛想笑いを浮かべる真九郎、どちらも見てしまった紫から、亡くなった母親への感情を引き出した構成は巧み。
野球部員との「給仕」と「球児」の不思議と噛み合った会話、学校の廊下での紫と真九郎と夕乃のクロストークは役者の演技優先のプレスコの良さが出ている。



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