銀子の仕事を請けた真九郎を追った紫。紫を守ろうとする真九郎、そんな真九郎に仕事を任せる紅香に納得がいかない弥生。このお話の女たちは強い。
女たちそれぞれの視線にさらされて、徐々に真九郎のキャラも立って来たところで彼の過去が語られる「紅」第4話。サブタイの才物とは真九郎を指すのだろう。
銀子の一件で幼稚園の土地を狙う組事務所を訪ねる真九郎。
情報をネタに権利書を取り戻すのは拍子抜けの展開だが、紫の大人の嘘を見抜く目の確かさ、真九郎の腕から出る角、そしてそれに気付く弥生の「あれは崩月の」と何かに気付いた描写を詰め込んでいる。
紫の無邪気な子供らしさも丁寧に拾っていて、エレベーターのボタンの高さ、シャンプーを一人で出来ること、熱い湯船で我慢しながら早口で数を数えるところ、ジグザグスキップでの銭湯からの帰り道など、子供の行動を押さえた作画がされている。
話の切替は銭湯がキーポイントみたい。
五月雨荘での紫の掃除に布団干しと、環と闇絵が話に絡んでくるツボも外さない。
紫の疑問に答える形で、並行して紅香が弥生に語る形で真九郎の過去が明かされた。
回想で何度か出ていた事故の記憶は空港爆破テロ。真九郎と夕乃も巻き込まれている。
救出に来た紅香は崩月家からの依頼だったのだろうか。両親を亡くした真九郎は紅香について行き、後に崩月家に引き取られた。簡単にまとめた感はあるが、真九郎のポジションは伝わるし、肩入れする紅香の気持ち、完全に納得できないながらも理解した弥生の立場を描いている。
紫の実の母、蒼樹は子を3人産んだと紅香の回想で語られたから、紫には2人兄弟がいることになる。今後関係してくるのだろうか。
真九郎の腕の角の正体がわからないので、シリーズ序盤では伝奇ものなのか館ドラマとサスペンスを組み合わせた話なのか、いまひとつ掴みにくい部分はある。
だが、次回予告の感じでは崩月家が語られそうだから、真九郎の腕の角の秘密もわかるだろうか。



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