良化隊ではなく、両親に職場を襲撃された郁と生温かく見守る隊員たち。本当の業務内容を両親に話していない郁の負い目を、スッキリしない演出で上手く表現しているかもしれない。
図書隊の仕事を志望した動機を未だに両親に話していなかったのには驚いたが、最後は王子様に憧れたオチで締めて流れは悪くない。
今話は良化隊の襲撃や戦闘も無いしつなぎ回かもしれないけれども、郁の図書隊への志望動機や子供を見る両親の眼差し、隊の中では手の焼ける子供のような郁を見守る隊員たちの視点から、郁のキャラを立たせるのに大切な回。
郁の奮闘をヒロイン視点で拾うだけでは足りない点を、おなじみの柴崎、丸くなってしまった手塚、そして王子様かもしれない堂上の動きでカバーしている。
それにしても父親は「新世相」を購読しているから、娘の仕事は知っている。その上で娘の働く環境と同僚、上官をその目で確かめに来た理性派。対照的に母親を女性特有のエモーショナルな部分を誇張して仕立てている。娘の部屋の長靴や柴崎が誤魔化してくれた戦闘服に娘の腕の傷と、母親なら気づきそうな部分を敢えて無視させて、その気づきの役割を父親に振ったのは良いバランスだった。
こうやってレビューしてみると良作のような気がするが、何だか違和感があるのは実写ドラマを意識したパート冒頭のリピートや、アバンのためかもれない。
比較的原作に忠実だしテンポも作画も悪くないけれども、根っこの所を曖昧にしたままでラブコメ展開するのではないかとの不安が消えないからかもしれない。
ノイタミナ枠は苦手と言うか、視聴者層のターゲットから外れているから仕方が無い。
次回は戦闘かな。そろそろ毬江ちゃんの出番を待っているのだが。
図書館戦争 【初回限定生産版】 第一巻
COMMENT