「狼と香辛料」DVD第3巻に収録のテレビ未放映話「狼と幸福の尻尾」は、時系列では原作第1巻でトレニー銀貨切り上げ騒動でロレンスが利益を上げた後、原作第2巻のリュビンハイゲンでの破産の危機に陥る、その幕間を描く番外編的な位置付けだ。原作第7巻の短編「林檎の赤、空の青」を忠実に再現している。
事件は何も無い。
リンゴを大量に買い込んだホロがさすがに飽いてきた頃、修道女風の高級な衣装を着ているわけにもいかない理由をつけて、街へ北国向けの厚い古着を買いに出るロレンスとホロ。
両替商ワイズが久しぶりの登場で、ホロとの他愛ないトークに不機嫌なロレンス。
それと対比して、手をつなごうとするものの鈍感なロレンスに不機嫌なホロ。2回空振りで、おカンムリ。
二人の掛け合いは健在。
事件は無くても、この作品の根幹の一つの商取引エピソードはしっかり描いている。
今回は本業の取引ではなく、自分たちの古着。
古着屋との交渉で安物二人分を銀貨2枚で購入。ロレンスはこの街の有力なミローネ商会と昵懇である事を匂わせて、今後の取引に期待する古着屋主人から街娘風に見えるホロの古着を銀貨8枚に値切る。さらにホロは古着屋の店頭、主人の目の前で着替えて見せて銀貨7枚に。
銀貨2枚分のボロ古着は損しても他の店に転売して、実際には旅の先で調達するつもりのロレンス。最初から狙いはホロの衣装だけで、プラマイすれば安く買えたことになる。
ホロの食えない値切り方に嘆息するロレンスに、ホロの「試しに齧ってみるかや?」と誘いだが、齧ったら歯茎から血が出ることになりそうだ。
3度目にしてようやく手をつないだ二人。この二人のささやかで平和な日常が好ましい。
原作はずいぶん刊が進んでいるが、アニメーション第二期はいつだろうか。リスタートは大変だろうが楽しみに待ちたいと思う。
脚本:荒川稔久、絵コンテ:島津裕行、演出:岩本美香。
絵は悪くは無いけれども、キャラの作画が甘い感じだ。








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