このテレビシリーズでは監督の松尾衡が絵コンテを全話(一部共同)切っているからか見せ方に統一感がある。
穏やかな日常は緩やかに、緊迫した事態では密度の濃い時間を我々視聴者にも提供してくれ、紫と真九郎の揺れ動きながらも成長する姿とともに作品に参加しているように錯覚させてくれる。
今回はその危機が迫る濃密な時間を我々は共有することになる。
Aパートは強大な九鳳院の力に紫を守る自身を失う真九郎に、紅香の励まし(真九郎を信頼する根拠はどこから生まれたのだろう?)
そして真九郎に明かす九鳳院の秘密、奥の院の女たちの運命と紫の運命。
国外逃亡までの段取りを整えて、Aパートはあっという間。
それで逃げてしまっては話が続かないのは、制作者も視聴者も分かっている。
Bパートは反対する弥生を抑えて、紅香は五月雨荘に一旦戻る事を許可する。
闇絵と環を焼肉パーティーに招待するも、過剰なサービスと不自然な別れ際の紫の表情に闇絵は違和感を感じた風でもある。
案の定、五月雨荘に乗り込んできたリン・チェンシンと一味。弥生は歯が立たず、真九郎も伝家の宝刀は見せないのか見せる間もないのか、何か設定があるのかわからないけれど、一方的にやられるだけ。
兄の九鳳院竜士には恐怖の刷り込みからか、紫は逆らえずに「自ら」九鳳院に戻る選択を余儀なくさせられる。
その前に真九郎は紫を守りたい、紫は真九郎を「大切な人」と母の教えに従いキスする様を見せられているから、意に沿わぬ別れは見ていてつらいものがある。
次回は呆けてしまったか、真九郎。一旦落しておいてから、そこからが終盤の見せ場になるだろう。
エンディング曲は元に戻った。
7月からキッズステーションでも放送されるようだが、ネット局が少ないのが少々もったいない。製作委員会と代理店は、もう少し作品に自信を持って展開しても良いと思う。

6/2追記
紫が真九郎へのキスは、松尾監督の絵コンテでは最初は真九郎がおちゃらけるシーンを描いていますが、最終的にはそのシーンはカットして情感ある作りにしたようですね。それで良かったと思います。
http://www.samidareso.com/cgi-bin/blog/staffdiary.cgi#131
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