意図せぬ里帰りに、郁が今までひた隠しに隠してきた図書隊の仕事の内容が親バレしてしまう「図書館戦争」第10話。派遣先の寄宿舎での女同士の嫌がらせエピソードはF1層向けのサービスだが、想定視聴者層でない者はそれを乗り越えれば次回の攻防戦へのつなぎ回だと思って辛抱するのが良い。私の場合はこの構成を非難しているのではなく「オレの求めるものとは違う」と思いつつ、見どころを探している。
図書館員の寄宿舎での業務課員の優位と図書隊員の肩身の狭さ、郁に対する業務課員の陰湿なイジメのシーンは退屈なのだが、県展を開催する茨城県図書館の特異性と図書隊の地位の低さを誇張して演出するのには適した構成でもある。そこまで膨らませなくても充分なのだろうが、女館長と玄田隊長の議論シーンを引っ張りすぎるとしょっぱくなるから、わからぬでもない。
郁の仕事を実家に告げ口されて駆けつけてきた母親のヒステリックなシーンも、女性のメンタルをことさら強調して個人的には苦痛な演出なのだが、理性的な父親の登場と郁の過去ネタオチで母親の本心も吐露されて多少は救われた感じだ。
しかし郁の業務課員への落し前のつけ方は一見豪快に見えるものの、実態を矮小化しているのが残念だ。本隊に戻ったらとか査定に響くとか、田舎のの館員に対してわかりやすい脅しだけれども、図書館と図書隊のあり方や目的のために協調する大切さをすっ飛ばした落し方は堕落して見える。
次回は茨城での良化隊との攻防戦だろうが、柴崎との電話で「オレ、この仕事から帰ったらお前とケーキバイキングに行くんだ」的な手塚の死亡フラグは発動するのだろうか。
1クール全12話のはずだから、残り2話。郁と王子様の行方に一定の区切りをつけて終演なのだろう。




COMMENT