DVD第8巻に収録された、智代ルートを描く番外編。TVシリーズ本編から完全に切り離し、智代以外のヒロインキャラを一切出さない徹底ぶり。そして本編との融合を考えることがないためか、作監の堀口悠紀子の個性を前面に出した絵柄に最初は戸惑うかもしれない。
1話限りの短い尺の中で、どれだけ智代ルートのエッセンスを表現できるのかと訝しんだが、前述の絵柄の変化と、朋也がゲーム原作寄りの少し厭世的な空気を漂わせていること(本編の朋也のキャラクターは前向きすぎるかもしれない)、智代が生徒会長を目標にする理由をシンプルに描いていて、構成に無理もギミックもない。
既に二人は付き合っている状態で話が動いてゆくが、生徒会長選挙に当選し桜の木を守るために、さらに高見を目指す智代。不良状態のままの朋也に貼られたレッテルは容易にははがせない。不釣り合いな二人の状態を再確認させるような、生徒会役員の2年生男子が嫌われ役ながら、重要な立ち回りをしている。朋也から切り出した別れの場面は、淡々とした二人の芝居の中に漏れる木漏れ日や通行人が動きを与えている。
シリアスなシーンが続く中でも、春原の役回りは本編と変わることがない。朋也に欠ける部分を支え補う影の主人公の春原だが、春原編を作ってあげても面白かったのかなあと思わないでもない。ギャルゲの主人公以外で好かれる男キャラは貴重だから、それが春原の美点。エンディングシーンで就活で黒髪でスーツ姿の春原を見ることは出来たけれども、アフターでは見られないのかもしれない。
別の意味では、この程度でシリアスだの重いだの言っていては、CLANNAD AFTER STORYは見ていられなくなる。
そのエンディングはかなり早いテロップの挿入タイミング。卒業式の後、雪の坂道を一人下る朋也と、彼を待っていた智代のラストに尺を取るためだろう。
お互いの夢は夢として、二人歩み寄り現実に向き合う若い二人の困難さを予感させるが、閉じたままだった踏切の遮断機が上がる朋也の心象風景と吹き始めた風に希望をつないでエンディング。
ラストの弁当を持ち微笑む智代のカットは「
智代アフター」へとつながる。
強がるくせに脆く弱い心と傷を持つ朋也と智代。似たもの同士が現実に向かい合うシナリオは、原作ゲームでも好みが分かれるところだろうが、二人が紡ぐ家族の絆の一端にアニメーションで触れたことは嬉しい。ファンタジーも奇跡もない、麻枝准の書く絆の物語は「
智代アフター」で描かれることになる。これはゲームで補完するしかあるまい。
智代アフター ~It's a Wonderful Life~ CS EditionDVD初回限定版は全巻入手可能ですね。皆さんBD待ちでしょうか。








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TVアニメーション CLANNAD ビジュアルファンブック(仮) 8/27発売予定
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