出世欲は強く大言壮語、そんな徳のない男は劉備の偽者だった「恋姫†無双」最終回。関羽が亡き兄の姿に重ねていたとはいえ、関羽のハートを奪ったその罪は海よりも深い偽劉備。
原作ゲームの「~ドキッ☆乙女だらけの三国志演義~」のキャッチに反して、男劉備の登場に失望させておいてから、最終回で似非武将の正体を暴いて爽快感につなげるアイディア自体は悪くはないと思う。山賊と共に偽劉備を退治されるべき悪者に加えてのオチは、悪い構成でもない。
しかし「私たちの戦いはこれからだ!」エンドにするのなら、男&偽劉備をダシに使わずとも他の方法が取れなかったかとも思う。
時系列は史実と比べると少し過去に巻き戻した感じで、黄巾の乱を思わせる山賊の跋扈に、官軍を率いる何進将軍の登場。いち早く曹操が何進に従っており、山賊退治には兵糧攻めを提案。それを手ぬるいとした何進に、先陣の務めに名乗り出たのは劉備。劉備は手柄を立て、何進に取り立ててもらうのが目的だから、関羽と馬超の働きがカギ。風邪で発熱した張飛を置いてきた事が、彼の若干の不安材料。
劉備たち義勇軍の留守を狙って山賊たちが桃花村の砦を襲うが、劉備は戻ろうとはせずに明日の先陣にこだわる。劉備に心を動かされていた関羽だけれども、村と人々を護るために劉備を殴り決別。
馬超も過去の恨みを置いて、加勢を曹操へ頼むために土下座。曹操が夏侯惇の手勢を送るのは出来すぎだが、山賊の平定後の先を考えている合理主義者らしいところと、ご執心の関羽をいつか手に入れるための先行投資と考えると腑に落ちる。小沛の城にいた劉備が呂布に襲われた際に、曹操が夏侯惇の軍勢を出した史実をなぞっていると思われる。
守勢の桃花村では、軍師孔明の獅子奮迅の働き。張飛も熱を押して出てくるが体調不十分で万事休す。駆け戻った関羽が間一髪、張飛を救う。続けて戻った馬趙と夏侯惇の軍勢、村に入っていた黄忠の弓で賊軍は崩れる。賊の大群の中を駆け抜ける華蝶仮面こと趙雲には、長坂坡での活躍を髣髴とさせられる。その趙雲も今までの道中で扱いが悪かったのも、演義の五虎大将軍の中で出世が遅れた史実をリスペクトしていると思うと面白い。
しかし天から光の玉が当たって死亡、生き返ると華蝶仮面になっていたとの説明とのウルトラマンネタは、バックの絵もあわせてヒドイ。従来のパロでは許容範囲外でアウトのレベルだが、円谷プロもTYOに買収されたからOKなんだろう。アニメーション制作の動画工房はTYOグループ。新手のメディアミックスかもしれない。
先陣を務めたものの敗走してきた劉備。黄忠の娘、黄叙から人攫いの真犯人だと見破られ、村からも遁走。結局は真の劉備に出会う事なく、関羽軍の様子で改めて「桃園の義」のような花見で締めくくり。
見方によっては噴飯物なアニメだったが、大胆な解釈で三国志演義の世界を焼き直したことは評価できる。史実をなぞってニヤリとさせられる部分もあるから、三国志ファンにも抵抗は少ないのではないだろうか。鳴海エリカの声をアニメでこれだけ聞けたのは初めてかもしれない。ファン的な評価ポイント。
欲を言えば劉備はきちんと登場させて欲しかったし、1クールでは厳しいから「続きはゲーム」になるのも止むを得ないが、各軍の戦いも見たかったところだ。
ゲーム販促アニメとしては成功の範疇だ。
12月に出るPCゲーム「真・恋姫†無双 ~乙女繚乱☆三国志演義~」がヒットすれば、次期アニメはあるだろうか。それにしてもコーエーのパクリみたいな続編タイトルだ。
衰えない三国志ブームを、今週発売の週刊東洋経済が取り上げられている。「恋姫†無双」もキャラ写真付きで取り上げられていて、マーベラスの伊藤誠プロデューサーのコメントもある。興味のある方はお近くの書店でどうぞ。
この記事の概要は、
アニメニュース Japanimate.comの
「三国志」ビジネスの秘密に掲載しています。
この先「蒼天航路」のアニメ化も進んでいるようで、曹操ファンには正式発表が待たれるところだ。








COMMENT
コメントが一番
>マーベラスの伊藤誠プロデューサーのコメント
一応読んでみた。感想は偉そうに言うわ、汝に2世紀以上もの受け継がれしアジアの大作が語れようかだった。
>三国志ファンにも抵抗は少ないのではないだろうか。
はっきり言おう。とんでもないです。リンクしている三国志4コマ漫画を書いているブロガーさんは始終怒ってましたさ。まさに路傍の花?
Re:コメントが一番
「演義」などは、過去最大の改変とも言えるでしょう。それでも2世紀受け継がれて、数ある改変にも輝きを失わない物語だということが逆説的に証明されたのかもしれません。