お嬢様のオタク趣味の秘密、春香と裕人の付き合いの秘密のいずれも公然の事実になってしまった話を「春香と裕人の関係がどこまで進んでいるか、二人だけの秘密」にすりかえて、小奇麗にまとめた「乃木坂春香の秘密」の最終話。
お金持ちのパーティー、ライバルの金持ちキザ男、主人公のピンチに謎の老人とベタで甘いオタク好みのプロットを並べてきたが、麻痺して見ている分には快適だと思える。
幼い頃にイノスマ創刊号を未来のヒロインに渡した事を「運命」だとしても、それは「偶然」を言い替えたに過ぎない。絶対ヒロインに対し、偶然チャンスを掴んだとしか思えない主人公では、この先の成長物語は描けない。
パーティーに気後れしている裕人は美香に救われ、プレゼントの順番に遅れるのは葉月に救われ、春香の前でキザ男親子からのピンチは乃木坂の爺さんに救われ、玄冬の怒りは秋穂母さんに救われ…全ての行動が救われるだけの裕人。春香を守る力も持たず、ラッキーの積み重ねだけに見えるのが主人公の胡散臭さ。そんな主人公に仕立ててしまったのは設定ミスだと感じる。
可愛いキャラと、それなりの役者たちを揃えながら、当初の「お嬢様の秘密」を忘れて良くあるラブコメになってしまったことが惜しまれる。
春香のライバルにいるべき椎菜も、その扱いを持て余して春香と裕人への燃料補給係&パンツ担当に甘んじてしまった。
話中のサブキャラたちにとってこの先の二人のことは興味津々にせよ、破綻なく終わらせるためには制作側にとっても体の良いプチハッピーエンドだ。
この製作プロデューサーたちに「萌え・ラブコメ」を描かせる事は無理。それが再確認できたことは違いない。





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