第2期の導入部では二つの街・二つの時代・二つの物語を語るのにギミックな仕掛けもなく、複雑な伏線も張っていないように見える。キャラクターの内面を引き出すカメラワークと光と影、明と暗、陽と陰のコントラストで、第1期よりも演出寄りのフィルムに仕上げている印象を受ける。
物語を演じるキャラクターたち、特に火村と久瀬の男主人公の二人は過去の傷と進行形の悩みを抱えて重苦しい展開が続く。
二つの物語のうち、わかりやすそうに見えるのが久瀬とミズキの物語。この「わかりやすそう」がクセモノではないかと思うのだが、大どんでん返しが控えているような気がしてならない。
今のところ表面上は、ミズキの大人への憧れと無邪気な初恋が交じり合ったような一方通行の恋。久瀬は飄々と見えるものの、自分の病気にバイオリンの夢も捨て、ミズキの想いなど受け止めるつもりもない。
廃駅のホームでミズキが出会った千尋。景Loveなミズキだから、双子の妹の千尋にもDNAが反応するってことか、日本の音羽にいる景の代用ではないだろうが、強制ハグ。ここで久瀬の病気をミズキも知ってしまうのだが、蓮治と千尋が第1期に比べて大人になったように見える。子供のミズキと比較するからだろうが、二人の付き合いも順調に進んでいるのだろう。
久瀬の病気を知った後、火村からの伝言を千尋から伝えられたミズキは海岸へ。演奏を終えた久瀬自らの手で燃やされたバイオリンを必死で消化するミズキだが、これが二人の関係の転換点になるだろうか。
過去の回想を中心に進んでいるのが火村と優子。第1期の優子を見ていると、話中の現時点で生身の人間には思えない神出鬼没ぶりと、予言めいた忠告の印象だけある。
施設の時代の二人のアウトラインは前話で描いているが、第3話では優子の抑鬱した学生生活を描くのだが、これとて視聴者と火村の視点でそう思うに過ぎなくて、優子本人は「人間ってそういうもの」と悟ったかのように受け流している。
上履きを隠されたり教科書に落書きされたりと、生徒たちからの優子への虐めを暗示するエピソードが重い。心のドアを閉じながらも火村に何かをすがる優子、美術教師の雨宮が優子を施設から引き取った事実に、何か良からぬ事態が進行しているのではないかと想像されてしまう。
学生時代の火村と久瀬の会話では、久瀬は留学直前の設定になっている。この先の優子の物語から友人の久瀬が欠けたままで火村は向かい合わなくてはならない。その時に凪の役割はあるのか、単なる傍観者かつ全裸キャラで通すのか興味がある。
この第3話では、ザッピングまでには至らないが二つの物語の時間軸を行きつ戻りつ、同時進行で描き始めた。第2話までの序章を上手く受け、物語に加速をつける巧みな構成だ。
男性キャラの苦悩と逡巡をしっかり描けている事も好感が持てる。
アニメーション制作はトランス・アーツのグロス。エンディング予告イラストはMATSUDA98。
次回予告ナレーションは田口宏子だが、みやこの出番はあるのだろうか?


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