命は無事だったとはいえ全身の腱と神経を切断、右目と咽頭にも傷を負った黄泉。彼女をひとおもいに殺す事なく、疎外と不信の中で黄泉の憎しみがゆっくりと熟成されるまで待っていたのだろう、三途河は。奈落に落ちる間際の黄泉と神楽の、いままで通りの姉妹でいたひと時がかえって悲しみを増す「喰霊-零-」第9話。
事件の事情聴取で、神宮寺室長は冥を殺した事を確認したものの、あまり認めたくはない様子。声が出ない黄泉の指サインでの返事もためらいがちだったのは、事実を話しても認めてもらえないと思っていたのか、それとも三途河にハメられていることを悟り、諦めているのか。
絵的には家督相続を恨んで冥を殺したと喚く叔父、紀之との婚約の破棄を告げにきた紀之の父、この二人の行動が黄泉にとってはインパクトが強い。
しかし内面的に重要なのは、頼りたい、助けて欲しいと思ったときに紀之が見舞いにも来ないショックがまず一つ。これがあるから婚約の破棄のダメージが大きい。
そして、紀之の事情を薄々知っていながら気を使って教えなかった神楽にも疎外感を感じた事と思う。その神楽が「黄泉がいなくても一人で立派にお勤めができる」(by神宮寺室長)ことも孤独感を増したに違いない。
養父の死から家督争いに始まり三途河の謀略と冥によって、運命によりお勤めが全ての生活、家もお勤めの生活を奪われた黄泉の心は、神楽によってかろうじて保たれている。
世話をする神楽に対して、黄泉は嘘をついている。
「黄泉は憎しみで人を殺したりしないよね?」その問いかけは、命乞いをする冥を刺した憎しみの記憶を蘇らせる。黄泉がその記憶を心に押し込める限り、三途河の格好の材料であることに変わりはない。
席を外した神楽の隙に、殺生石を持つ三途河が登場。傷を修復する殺生石の力に、三途河への憎しみよりに先に、喜びに震えエクスタシーが全身を駆け巡る黄泉の表情。黄泉の全身を舐めまわすような殺生石プレイの絵はエロティックだが、黄泉の恍惚の表情から痛みや悩みが消え、心に残った「純粋」な憎しみだけが見える。この先の善悪の概念は別にして、現時点で彼女が得たであろう安らぎと救済が表現された良い演出だ。Cパートで石を埋め込まれた表情は怖かったけど。108箇所の刺し傷痕が消えると黄泉の煩悩も消えるのだろうか。
家柄も組織も彼女を救済できないなか、それが殺生石だという皮肉が終盤のドラマを味わい深くさせてくれることだろう。
微かにつながっている神楽との絆がいきなり途切れるとも思えないので、「妹」として愛した神楽との決定的な亀裂が待っているのだと思う。
退魔師一族や対策室は完全に敵に回るだろうが、土宮雅楽と白叡の動き、それを受け継ぐべき神楽の対応が気になるところだ。第1話で特戦四課を潰した時点まで、黄泉が姿を消す場面があるのだろうか。

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イメージソング集のタイトルが「百合ームコロッケ」か…買うしかないな。エレガファンとしても。
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