優子編のクライマックス。そして現代編につながる、出演キャラクター同士の出来事がクロスする過去パート。モノクロの世界で繰り広げられ、やがて淡いながらも世界が色づき始めた演出で大詰めを迎えた「ef - a tale of melodies.」第10話。
雨宮邸の火災はどのように片付けられたものか、火村と優子の改めてのアパート生活。大家の双子の娘は景と千尋。ドラマのスケールに比較して、狭い範囲でメインキャラクターが関わっている。
火村と優子のクリスマスの約束は、優子の交通事故により叶えられる事は無かった。動かなくなった彼女を抱き歩く火村、かたわらを泣きながらついてゆく未来(みき)のシーンを、スペシャルエンディングに持ってきたが、すこし叙情的に過ぎる気もする。火村の痛みと喪失感は先送りにし、リアルに演出して優子の追悼エンディングとしても良かっただろう。
ほんの短い間に優子が残したもの、火村にとっては悔いだろうか、それを彼は胸に抱いたまま現在に至るのだろうか。廃墟を見て「きれいな街を作りたいな、未来につながる明るい街を」と優子に語る火村の言葉が、新しい音羽を作る原動力になったのだろうことは想像できる。
優子から預かった学園の屋上の鍵。「誰か必要な人にあげてください」と優子から言われた火村だが、まさか自分が必要になるとは思わなかったのだろう。Cパートは呆然の火村の姿。
そして優子と火村に出会った未来(みき)、後にミズキと名乗るまでの彼女のドラマはまだ書き残している。両親の無理心中の末、施設に預けられている彼女。
優子の言葉「女の子はいつもニコニコしていなくちゃダメよ」人見知り激しい未来が、明るい笑顔輝くミズキになるきっかけを与えているようだ。
過去には久瀬もバイオリンの演奏をきっかけにミズキと偶然出会い、リボンをあげている。久瀬の曲は優子に、その優子の詞をつけて未来=ミズキに受け継がれたようだ。
優子が火村に渡した鍵は千尋に、そして前話では千尋からミズキに。
二つの時代と二つの街にまたがるファンタジーは、次回「勇気をもらった」ミズキから久瀬へのリターンマッチか。それが彼女から過去への恩返しであると同時に、彼女へのハッピーエンドのプレゼントであって欲しい。
ヒロインたちの過去がクロスするなかで、独自の立場で物語を見守る凪。
もちろん火村の優子に対する気持ちが変わらないのは知っているが、火村にコミットしつづける、しかも押し付けがましくなく。
優子を失った火村の支えになれるのだろうか。彼女のドラマを最後にもう少しだけ見せて欲しいと思う。裸婦のラフ担当だけで終わらせてしまうには惜しい存在。番外編で凪ルートが描けそうだ。
コンテは3人、武内宣之、宮崎修治、板村智幸、演出は大沼心、作監に伊藤良明。
エンディングイラストに鈴平ひろ。
次回どのようなオープニングで始めるか興味がある。


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