番組タイトルの「零」が示すように、原作のbeforeにフォーカスを当てて構成された「喰霊-零-」もラストの第12話。原作の時系列につなぐためのエンディングと、2年後の神楽の姿は予想通り。予想通りであったことに落胆しているわけではない。
この最終話の戦いで神楽が姉と呼んだ黄泉を倒すまでの心揺さぶるドラマは素晴らしかった。結末が予想されながらも飽きることなく見つづけられたのは、ギミックな第1話の仕掛けに始まり、制作側の面白くしようとする力が感じられたからだろう。
上松範康の劇伴や挿入歌のクオリティも高く、ドラマを盛り上げてくれた。音響効果も色々考えられていて、細かいことだが次回予告での神楽と黄泉のユニゾンは雰囲気が出ていた。
黄泉によって壊滅に近い状態の環境省対策室。岩端さんとナブーの片方と神楽だけ。紀之は姿をくらましたが、神楽のピンチを救い出し自らが手を下せなかった黄泉の倒滅を神楽に託すことになる。黄泉を倒すのは、お互いの望みの果ての結末を宿命として強く想う者ではないと難しいと言うことだろう。
決心をつけかねていた神楽も紀之の話から黄泉が自分を殺して欲しい望みを知り、また黄泉も「妹」の神楽を守る望みに気付き、戦いは終わる。
戦闘シーンは相当頑張っていて、コンテも作画も見せ方としては文句ない。これまでの二人の物語が収束した美しい幕引き。
黄泉を倒した神楽の心の震えが白叡を開放し、今まで苦手としたカテゴリーDを一掃。退魔師としてもう戻れない神楽の慟哭を遠くからフォローする岩端さんとナブーのセリフが渋い。
メインヒロイン二人の輝きだけではなく男性キャラもしっかり描いている事も、少女の過酷な宿命のドラマに深みを与えてくれる。
2年後の光景で原作につながるのだろう。意外だったのは死亡したと思った神宮寺室長は入院中ながらも健在。さらに驚いたのが桐ちゃんの記憶障害か幼児退行状態。室長を姉と思っている。頼むから「私を姉と呼ぶな」なんて桐ちゃんに言わないで下さい、室長。いや元・室長。
対策室の室長は老女風の姿。少し大人になった神楽は退魔師を続けて、コンビを組んでいるのは弐村剣輔らしい。ヤッチンとミクは高校も同じみたい。紀之は占い師家業。岩端・ナブーコンビは対策室にいるみたい。
三途河も目的はわからぬが、まだまだ戦いを続ける模様。
無事に原作につないだようだ。
神楽・黄泉編とも言うべきこのシリーズから、原作準拠の神楽・剣輔の物語もアニメ化するのかはわからぬが、実現するなら期待したいと思う。
脚本:高山カツヒコ、コンテ・演出:あおきえい、作監:牧野竜一、栗田新一、川村幸祐、河野悦隆、渡辺るりこ、堀内修。渾身の作監修正で満足できるレベル。
この最終話でDVD購入に決心がついた。
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