本編中でのあらすじの省略とブツ切りしたようなエピソード、不意に予兆なく挿入されるハーモニー処理や回想シーン、すれちがう会話など、シナリオとコンテは理解させるためではなく感じさせるために作られているようだ。特に時代背景を知らない若い世代の視聴者は、理解しようとすると難しくなる。
大胆に省略したオープニング絵コンテも、語るのではなく感じさせる演出。
「WHITE ALBUM」第3話。冬弥をマネージャーに指名した理奈の真意は額面通り、由綺と会う機会を作ってくれたのか、単なる興味がやがては本気になる伏線なのか、シナリオの振り方が興味深い。
リハ中、ステージソデの冬弥と理奈を見て撮影を中断するのは、自分への休憩と二人に時間を与えるための好意からだろう。
冬弥の主体性がないからそう見えるのかもしれないが、由綺とのすれ違いは続いている。土曜の約束は由綺の仕事でキャンセル。たまの電話でも屋上で二人になっても、お互いに言いたいことは全部言えていない。初めて二人が会った記憶も由綺は幼い頃、冬弥は高校の頃と食い違っている。でもお互いそれを口に出して言わない。
仕事の都合であるのだが、約束を破った形の由綺は「ゴメンね」を口にし、冬弥はそれを受け入れるしかない。この食い違いの積み重ねが冬弥の心に隙間を作り始めたとき、彼の最も近くにいる女性が誰になるのだろうか。
マネージャーをクビになった冬弥の前に新キャラの観月マナの登場が予告され、はるかもこまめに関わり続け、美咲も控えている状況で、冬弥をシナリオではどう転がすのか、次回が待たれるところだ。
グロス制作は銀画屋。佐藤清光作監督。絵コンテは下田正美、演出は岸川寛良。絵も音楽もバランスのとれた良い話数だった。
オープニング曲「深愛」、サビの緊迫感と転調とが昭和時代のサスペンスドラマを感じさせる。上松範康の作曲、藤間仁の編曲。いつもながら素晴らしい仕上がりだ。劇中歌も時代を感じさせる80年代の松田聖子似のバラードで、今の時代には一回りして新しさも感じる。キャラソン集やサントラが持たれる。



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