交通事故死したトモハルの屍が引き起こす事件に嵩征とイツキの出会いと絆を描く序盤。いくら心の奥に隠そうとしても屍姫を人として見てしまう、愛しているという感情を否定しない嵩征の過去はオーリへの教訓となるのか疑わしいところだ。わずか半年の修行のまねごとのみで実戦経験もなく、契約したマキナからも契約僧とは扱われないオーリに、その言葉を受け止める達観はないだろう。
その割には物わかり良く、リカやサキが同行したからにせよ、マキナの窮地を救いに向かう姿に迷いはない。兄貴と慕う景世から契約を譲られたからだけではない、純粋な情熱を感じさせる部分もあるが、彼の成長物語を描くにはすでに遅く、単にマキナとの関係修復や敵対する七星との死闘にだけ焦点が絞られたように思える。
隠密行動だった貞比呂とアキラが前面に出てきたり、背後での光言宗内部の軋みも匂わせるが、中途半端に掘り下げて本線から逸れない方がよいと思う。
今回のエピソードのイツキを除いて、他の屍姫は姿は度々見せるものの断片的な役目しか与えられていないのでもどかしい。この際だから最後は屍レンジャーで、対七星オールスター戦でも構わない。
断片的というか、今回は意味のない動きで攪乱してくれたのは、お胸様。オーリを探して夜の五諒山までやって来させる。必死でマキナを探すオーリにスルーされて、失恋の事実を明らかにしただけ。これが未練となり、不慮の死で彼女が屍になる伏線ならば意味もあるが、さてどうするのだろう。
嵩征とイツキのエピソードを受けて、偽景世に立ち向かうオーリとマキナのシーンに絞れば良いと思うが、ネタを盛り込もうとする癖が抜けないようだ。しかし、ここまで来ると確信があってのシナリオだろう。素直に素材を出してくる作風ではないから、我々はその雑然の中から汲み取らねばならない。
まさか1クール目が壮大な捨て回だとしたら、逆にそこから終盤に期待が湧いてくるのだが、まだ少し視界不良だ。しかしオーリよりも視聴者に修行を要求していることは間違いなさそうだ。
グロス先はStudio Blanc. だが、原画だけじゃないだろうか。他はfeel.メンバーが多い。それにしても作監修正がバラバラで、ものすごく可愛らしいイツキの表情もあったり、手が入ってないような引きのカットが多かったりと安定しない。

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COMMENT
はい、ブロガー(若しくは視聴者)も試されていますよ、と。
>視聴者に修行を要求>
はい。この点に思いが至る視聴者(orブロガー様)が居られることが、わたしには慶びです。
>確信があってのシナリオ>
はい。確信犯ですね、これは。それ故に、
>壮大な捨て回>
につき、弊記事では、 「(とっくにor既に)回収に入っている」との立場 を採用しております。
そして、わたしはですが、
所詮は 半年程度のしかも飲み込みの悪いオーリくん に、さしたることは期待できませんので、
16歳の少年に「達観」を要求するよりも「純粋な情熱」そのまま にぶつかって行くその様を期待しています。
気合の入った記事が拝読できて嬉しく存じます。
今後とも宜しくお願い致します。
Re:はい、ブロガー(若しくは視聴者)も試されていますよ、と。
コメントありがとうございました。
オーリが主人公だと鵜呑みにすると、メッセージの受け手として自由度を縛ってしまう事になりそうです。
物語の担い手である屍と屍姫に焦点が絞られてきたようではありますが、このようなリソースの浪費が出来る作品は、他にそう多くありますまい。
最終回までおつきあいください。