偽景世に屍お胸様とオーリたちを惑わすトラップが続く「屍姫 玄」の第6話(通番19話)。
前話の感想ではお胸様のことを「必死でマキナを探すオーリにスルーされて、失恋の事実を明らかにしただけ。これが未練となり、不慮の死で彼女が屍になる伏線ならば意味もあるが、さてどうするのだろう。」このように書いたのだが、マキナに助けられた伏線を生かして、死と屍に魅了されたあげくの彼女の隙と嫉妬を七星のトーヤに利用され、本当に屍となってしまった。
彼女は次回、七星が送り込む肉弾として活躍することになるようだ。
自信過剰の七星エナの最期はあっけない。本当の景世を刺してしまい失った悲しみを他人に味わわせまいと立ち向かうオーリ。マキナが身を盾に、貞比呂とアキラも戦いに加わるのは、オーリ一人の成長物語ではない事を示している。
マキナの「108の屍を殺せば天国に行ける」に、アウトローのアキラが複雑な表情だったのは、そう思い込まされているマキナを哀れんだのだろう。もちろん、信じ込ませているのは、屍姫を利用しようとする光言宗の上層部なのだろうが。
学校で「幸せをあげる」と生徒たちを殺めはじめたお胸様だが、オーリに「私を殺して」とは不可解な言葉。まだ生きていて操られる我が身をオーリの手で殺して欲しいと理性が語るのか、または死それ自体が彼女の幸福なのか。死んでいるとすれば、死ぬこと自体の望みは叶っている。残る彼女の未練はオーリへの想いか。
マキナとの距離は近づいたものの、相変わらず隙だらけのオーリの運命は次回を待とう。
ピークはリミッターで抑えられたような演出、ネタも微妙にツボを外しつつ、まだまだ拡散中の物語の着地点は見当が付かない。

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