前話で「賞味期限切れの牛乳」のタイムパラドックスを考察して、今回は「賞味期限切れのしめ鯖」で再びおさらいする「夏のあらし!」の第9話。
同じ題材の繰り返しでパッと見、甚だしい手抜きに感じられる向きもあろうが、演じるキャラクターたちにとっては決して同じドラマの繰り返しではない。キャラクターのリアクションと心情変化を、受け取り手がどのように捉えるのかで楽しみ方が違ってくる。
今回はしめ鯖のタイムパラドックスの思考実験を機に、キャラクターの性格と人生に対する考え方が良く掘り下げられている。あんな感じのマスターだからか、金と欲に駆られた詐欺師の表面だけ描いてきたけれども、賞味期限切れが惜しいだけかと思いきや人間観察の深さを見せてくれているし、典型的な中坊の一に女心を諭す意外な一面も見せている。
一がタイムパラドックスと平行世界の概念を簡単なチャートで解説してくれたが、そろそろ佳境に入りそうなタイミングで早すぎず、遅すぎずといったところだ。一が科学少年だったのは意外だが、タイムトリップによる歴史改変を理詰めで考えようとするのに対し、あらしとカヤの反応が違うのは興味深い。
もちろん二人は過去に生きた現在の幽霊という歴史の当事者だから現代人と違うのだが、「まあいいか」のあらしのノリと改変を深刻に考えるカヤの違いも、この短いエピソードの中で改めて示している。
潤はお当番回が終わったところで、一休みと言ったところ。
SHAFT制作作品から多数登場のモブキャラが賑やかで、なぜか釣りキチ三平や「いっしょにとれーにんぐ」なども。







エピソードや演出は控えめだけれども、これまでの設定と伏線の整理と、やよゐと加奈子が本線に絡み出す意外と重要な回。
あらしと一は1985年にタイムトリップして、昭和20年横浜の空襲下であらしが助けた村田三吉のフォローエピソードを組み込んでいる。この村田三吉の息子、今のグラサンに似ているが、気のせいだと思っておこう。
歴史改変への科学的・道徳的なことはさておいても、目の前にある困難を黙って見過ごせない、でも今ひとつ確信がもてなかったあらしを涙と共に救済した形でまとめている。
次回は永遠を生きるためにと、あらしを襲い力を奪う加奈子とやよゐの秘密に迫るのだろうか。



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