モモコを失うのは一時的か永遠なのか。英雄気取りで脱獄したあとの始末は死体の山で、保護され自由に振舞っていた國子のドラマの序章がようやく終わったようだ。身近な者との別れと、太陽と月に比喩される國子と美邦のニアミスなど、新たな出会いに向けても伏線を張った「シャングリ・ラ」第9話。
月蝕を利用して地上に遊ぶ美邦とお付きのミーコ。ミーコはオカマなだけじゃなく元力士で、國子のブーメランを張り手で返すとは。結果としてはメタル・エイジの敵方にいるわけだが、ちょっと今のところはミーコの使い方がピンとこない。モモコが捕らえられたことで、かつての仲間を看取る事になるとは思わないが、悲劇の演者の一人になりそうだ。
小夜子は涼子と比較して、より美邦に肩入れしているように見えるのだが、彼女の研究も美邦のためなのだろう。モモコのイヤリングと美邦の物の相似に気づいた小夜子によって、展開が変わる気配もある。
代々少女を生贄としてきた水蛭子と、そのお告げを利用するアトラス公社に涼子の関係の一端も見えてきた。その御託の要は、アトラスを継ぐ者は美邦なのか國子なのか、物語はそれを巡っての一連の事件を描いているはず。
そう考えると、アトラス側でそれを知る立場にありそうな涼子の行動も、単にサドっ気を満足させるためではなく、大きな計画に裏打ちされている。メタル・エイジ側で事情を知っているのは凪子婆さんだろう。國子の両親の姿がないことや、出生の秘密も知っているに違いない。
炭素経済活動の方針やアトラス計画の是非で表面上は対立していそうなアトラス公社とメタル・エイジだが、國子(ディグマ2)の取り扱いに関しては暗黙の了解の下、悪く言えば出来レースみたいだ。







炭素指数取引市場関係では、メデューサが香凛の言うことを聞かずに木星ウォッチをしているのではなく、より上位権限を持つタルシャンの指示に従っていただけ。彼はモルディブに置いたオロチと言い、太陽光発電衛星アポロンもコントロールできるのだろうか。香凛は表のプレイヤーで、影の主役はタルシャンと言ったところか。「貧乏な」クラリスもドロップアウトしてはいない。
武彦たちの穴掘り仕事の結末は、國子に収容所の惨劇死体を見せるだけに終わった。出来もしない約束に終わった形で、モモコをさらわれて心に穴が出来た國子をさらに落とす演出効果はあった。國子の覚醒と覚悟を促すために、涼子がここまで計算していたなら見事と言うしかないが、後味が悪いことに変わりはない。
この事件をきっかけに國子の過去を掘り下げ、新章へつなげる構成になりそうだ。
もりたけしの絵コンテのはずだが、杜孟子の別名を使う理由は知れない。武遊のグロス回。
前半のまとめと転回の話数としては、まずまず悪くなかった。ただ、シナリオの流れから仕方ないことだが、スッキリした絵がほとんどないのは残念。


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