滝沢の自分探しの旅は、不出世の天才(かもしれない)パンツ板津を死に追いやってしまった。そんな彼を悼むはずなのだが、サブタイは、この作品のウケを狙うポイントが微妙に外れていることを表している。「儚い(人生)」と「(ズボンを)穿かない」を見つけたとき、製作者は嬉しかったんだろう。
「一番であがる」つもりの滝沢にしても、これが彼の自然体ともいえるが、セレソンとして自分の行動が何を引き起こすのか頓着がなさ過ぎるようだ。この「東のエデン」第9話は、滝沢の隙と改めて向けられる彼への疑惑の目、そして2名のセレソンの登場など、ラストスパートのはずだが残り2話では収まらない。
京都にはセレソン10番の結城が住んでいるらしい。自衛隊基地に姿のあった元官僚ナンバー1の物部とタッグを組んでいる。ミサイルで日本を破壊し、戦後の状態から作り直すつもりの結城、ミサイル発射には物部の協力もあったのか、この二人が協力関係に至る状況はわからない。
滝沢がサポーターではないと知ったようだが、京都に来る目的を探られ、その結果ノブレス携帯の解析で滝沢が記憶を取り戻すことを恐れたのは物部。
板津を口封じのため、車ではねた物部にためらいは見られない。結城はミサイルでの大量殺戮を企んでもゲーム感覚だろうが、リアルな死に向かい合うには腹が据わっていない。
引きこもったまま、外出などせずに過ごしてきた板津を動かしたのは、携帯の解析で発見した重要なデータを滝沢に電話すること。滝沢が2万人ニート殺害犯ではないこと、事前にミサイル爆心地から不発弾処理などを装い住人を避難させたから死者が出なかったことなどは証明できたようだ。だが一刻も早く滝沢に伝えるべき重要なことが何かはわからない。
彼はeメール環境はあっても、音声通信の手段は持っていない。外の公衆電話にでも走ったのだろう。本当にズボンを持たない彼の生活にジャージを差し入れした咲の親切もあだとなり、彼を死に向かわせた。
板津が出掛けに転送をかけた解析データのコピー先はどこなのだろう。







携帯の解析をこっそり依頼した滝沢、口裏合わせて知らないそぶりの板津の態度など、頭の良いみっちょんは気づいているのだろう。例え平澤たちからの探りの電話がなかったとしても。
滝沢の素性と行動を不審に思い、「東のエデン」サイトに集まった滝沢の情報をご親切にも咲に忠告メールしてくれる大杉。板津が濁した言葉も影響し、滝沢との隙間が開いた描写が見られる。
東京ではショッピングセンターで、滝沢のアジトと悪事の証拠を掴んだつもりの正義感あふれる英雄・大杉の痛い姿が見られる。
過去探しの頼りの板津を喪い、エデンメンバーからは疑惑の目、物部と結城のセレソンコンビに追われ、四面楚歌になりそうな滝沢はどのように切り抜けるのか。まさか「ゲームをあがる気のない」白鳥がジョニーに惚れて力を貸す展開か。新セレソンなど登場させると収集がつかなくなりそうだ。
「世間コンピュータ」が占った「英雄の死」は板津だけで終わるのか、滝沢にもその運命が訪れるのか、勘違いヒーローの大杉はその対象にはならないと思うが…




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