サブキャラクターの扱いは最後までバタバタと落ち着きが無かったと思うが、それでも無難にまとめた「シャングリ・ラ」の最終話。まとめたと言っても、2クール回した割にはお手軽にも感じる。
バイオコンピュータ・ゼウスのフロントエンドである涼子は新しい肉体を求め、その依代となる肉体は國子でも美邦でもかまわないのだろうか。ラスボスとなったゼウス本体が映し出す卑弥呼の幻影といい、ヒロインが倒すべき敵としてピンと来ない。最終話で急に卑弥呼のDNAから國子や美邦を作ったとか、二人の姉妹設定を持ち出されても、ヒロインにとっては葛藤すら感じる暇は無い。自分の生い立ちやアトラスの成り立ちを振り返る時間も与えられずに破壊に突き進むだけだ。構成上の細かな設定を説明したくないがため、勢いで突っ走らせたように感じられた。
サブで進む物語では、国連のシステムに侵入したメデューサの暴走は間一髪で香凛が止めた。ミサイル発射も海水面の低下もバーチャルな世界での出来事をメデューサに誤認させたのだろう。マーシャルの水門を開き自ら水没した最期だろうか。香凛の手元のチップから新たなメデューサが生まれたことにしたが、香凛の絶望を救う効果はあるが蛇足のような気がする。もう少し厳しい現実、荒れた大地や人間の営みから生まれる苦悩と希望から未来を見据える香凛であって欲しかったというのは我侭だろうか。







武彦の結末は救いがない。ディグマに未来を託したとは言え、凪子とタルシャンが無責任に感じられる。大人の責任の取り方があっても良いと思うが、アトラス計画は投げっぱなしで去っていった。
國子は焦土と化した地上を再建する決意だが、それは当初の目的ではなく後付けに聞こえる。「私たちが移住できないアトラスとアトラス政府が憎い」その目的に従って行動した結果のアトラス崩壊だろう。表面的な理想で多くの犠牲と損失を生んで、アトラスで平和に暮らしていた住人たちも焦土でゼロからのスタートを求められることになる。
原作小説のメッセージは知らぬが、地球温暖化による環境変化を救うには最終的には人々を原始共同生活へ引き戻す、それが理想郷だと言うのか。そうは思いたくない。このアニメーション作品でのファンタジーな解釈であって欲しいと思う。
最終話の作監は9人が名を連ねた。原画はたくさん。
GONZO制作としてクレジットされる最後の作品にならないように願う。
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