平和な学園生活と戦いの赤い夜の往復、思わせぶりな設定に少々飽きが来ていたところだが、新キャラのメガネっ娘広原雪子の豹変と活躍。駆たちだけではなく見ている側も救われた気がする「11eyes」の第4話。
眼帯の下の右目に隠された能力があるはずのに、何も力がないことを悔やみ無駄に剣の修行をする駆。駆から守られるだけの存在のようでいながら、実は覚醒前のラスボスじゃないかと個人的には疑っている幼なじみのゆか。序盤での二人の関係を後から見れば、きっと皮肉な構図なのだろうと想像する。
その二人の所に赤い夜の戦いを通じて、陰陽師の美鈴、接近戦の戦闘娘雪子、炎の使い手で不良の賢久が関係してくることになった。
保険医の赤嶺彩子と謎の怪我の絶えない賢久の掛け合いと鬼ごっこ。美鈴の道場で駆の剣の稽古と、Aパートはいままでのおさらいのようで、やや退屈な構成。
それでも普段は天然系の雪子が主催する「考現学部」とやら怪しいものの、学園では平和そうな生活を送っているのがうかがえる。おっぱいの研究も考現学の分野なのだろう。
普段の平和な学園の風景に、一般的なキャラクターの登場が少ないのが惜しい。それは香央里と匡のコンビに代表させたようだが、いかんせん登下校時に絡む程度なのが物足りない。それとも彼らも巻き込まれることになるのだろうか。
微妙なポジションで姿だけ見せている帰国子女?の百野栞だが、さすがに一般人ということはないだろう。出番はまだだと推測するが、素人が「禁書目録」などを持ち歩くはずもない。イタリアから帰国という設定はバチカン関係の魔術サイドの人間で別の展開のカギを握り、状況を監視しているのかもしれない。







この話数の赤い夜でのメインヒロインは広原雪子。
メガネは彼女の能力の解放スイッチを兼ねている、または彼女を作った者が備えた安全装置か。
傷の回復が早いことは見せていたが、瀕死の状態でも死ねない、死ぬことができない体とは自己修復機能付きのアンドロイドかもしれない。殺戮の国で生まれた生い立ちを語りかけた様子からは、彼女自身が殺戮兵器として作られたのかもしれない。雪子の殺気に身じろき剣を一瞬向けた美鈴の態度からも、人ではないものへの恐れが現れているように見えた。
そんな雪子が黒騎士に単独向かう、ダガーの接近格闘戦のアクションはなかなか良かった。普段のあんなキャラの活躍は、ギャップ萌えの琴線をくすぐる点があるようだ。
シリアスな格闘戦にも、パンチラカットを忘れない制作姿勢は表彰モノだ。





黒騎士の一体にトドメを刺すタイミングで横槍を入れられた瀕死の雪子だが、群れることを嫌いな賢久が救い、赤い夜が明ける。
駆の死んだ姉菊理に似た少女や、先に書いた帰国子女栞の動向を気にしつつ、水晶の少女や黒騎士との赤い夜への往復が続くかもしれないが、転機が欲しいところでもある。
タイトルの「11eyes」は、隻眼の駆と5人のことだろうが、ゆか、美鈴、雪子、賢久に残りは菊理に似た少女のことか、それともどんでん返しがあるのか、種明かしを待とう。
世界観や設定はあまり追及しないほうが見やすいだろうから、登場キャラクターの活躍中心で楽しむことにしたい。
今話の制作はAIのグロスで、杉本光司作監だった。







COMMENT