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闘牌大会の世界に迷い込んだ迷い猫たち。「迷い猫オーバーラン！」の第8話は、「咲-Saki-」の小野学監督。
その「咲-Saki-」の麻雀大会をモチーフにしたようなブロック崩し（ジェンガ？）ゲーム大会を、サンライズが久行宏和作監で制作する。迷い猫たちのキャラクターを借りながら、絵柄から「舞-HiME」シリーズらしさを感じさせてくれる。サンライズといえば、前話で感じられた勇者シリーズつながりでもある。

迷い猫同好会の活動に名を借りて、千世の独断で物事が進む形式に落ち着いてきたようだ。同好会活動とは言い、千世が面白ければほかの都合がどうであれ関係なく進んでゆく。夏帆がちょっとは対抗心をあらわにしてくると思ったのだが、面従腹背の様子で参加している。ヒロインキャラも掘り下げが十分でないところに、ここ何話かのバラエティ展開に突入してしまったから、巧を巡ってたががゲームに熱くなるヒロインたちの心理も伝わりにくい。いつの間にか巧ハーレムになっている。
ツンデレ文乃、無口無感情の希、金持ちお子ちゃま千世と分類はできるけれども、もう一段深いところでのエピソードが欲しい。これはシリーズ終盤に期待するしかないだろう。




ゲームは家康を抱き込み、メイドに裏から指示させるイカサマ千世のペース。会場も装置もスタッフも梅ノ森家が仕切っているのだから有利に決まっている。でも、ゲームの勝者となって巧とどうしたいのか、千世の希望は具体的ではないようだ。
ゲームは全自動麻雀卓風のテーブルを囲む形式。自動でブロックを積む装置の3DCGは小野学監督とサンジゲンが「咲-Saki-」で見せた応用だ。
画の方はゲームの勝敗を描くというよりも、バツゲームのコスプレがメインだ。ゲームの進行に合わせての心理戦も描かれるが、欲望丸出しの文乃や千世と対照的に希はいつもながら大人しい。
「異性とキス」のブロックを引きかけて迷う文乃に対して、千世と希の方が動揺が大きいのは面白い。



巧ハーレムが出来上がったかのようだが、まだまだ寸止め以前の段階をウロウロして気を持たせてくれる。まだ始まってもいない。
キャラクターの、この微妙な距離感のまま後半を展開する事はないと思うのだが、再び擬似家族の絆を再確認するような重めのエピソードでも持ってきてくれるのだろうか。
今回は千世の心情表現で感じたのだが、各話ごとにキャラクターの解釈がブレている箇所が見受けられる。だが、各話監督制とはそういうものだと思うことにしたい。



「迷い猫オーバーラン」キャラクターCD3 霧谷希
「迷い猫オーバーラン」キャラクターCD4 都築乙女