アニメレビューCrossChannel.jp

御坂美琴のDNAからクローン「妹達」を生み出し、レベル5の能力者を量産する「量産能力者計画」の端緒をまだ幼い美琴の姿で描き出し、新たに蠢きだした能力者開発計画の双方につながる布束砥信が登場した「とある科学の超電磁砲S」の第2話。
美琴のそっくりを目撃したといううわさ話や布束が街に撒くマネーカードの噂などの都市伝説を絡めた日常を展開し、意外に早く妹達編の入り口に立ったという印象だ。

美琴たち能力者やジャッジメントが学園都市のレベル0と向きあう話になると、どうしてもスキルアウトをフルボッコする身も蓋もない話になってしまいがちだが、この超電磁砲では無能力者の代表に佐天さんを置いたポジショニングで話を進めると、日常と事件の狭間の人間関係に厚みを増す。
都市伝説の追求者というだけではなく、マネーカード事件でも彼女の俗っぽさにホッとしてしまう。この学園都市で科学と非科学が交差する場所に佐天涙子を置けば話が安定するまでにキャラが確立してきた印象だ。




まだ何もわからない美琴に、筋ジス治療の研究のためと嘘をついてDNA提供させたことが妹達事件の発端。その場には布束もいたのだから、今話の引きで顔を合わせた二人の因縁は次回で激突するのだろう。もっとも美琴は当時のことは覚えていないかもしれないのだが。布束のマネーカードを撒いた目的と、今回スキルアウトを倒した「寿命中断」は演出によるブラフなのか、彼女が本当の能力者なのか曖昧にしたままだ。
今後は妹達とラストオーダー、そして一方通行なども事件に関係し始め、その中で超電磁砲ではゲスト扱いの上条当麻の出番も用意されているはずだ。