人類の進化と神の怒りの神話をモチーフに置き換えたと思える、螺旋族とアンチスパイラルの戦いも終盤。運命に抗うシモンは神に抗うことと同じか。
アンチスパイラルがランダム・シュレディンガーワープを使うこと、いみじくもダリーが叫んだ「確率を操るなんて神と同じ」がそれを暗示しているのだろう。
進化の行き着く先が制御が効かなくなったブラックホール宇宙。それはスパイラルネメシス。
女神ネメシスを引き合いに出し、人の進化による驕りと神の怒りのギリシャ神話になぞらえ、確率論や量子論も繰り出してきた第4部は、小さい子には難しいだろう。
それでも熱い戦闘シーンでバランスを取り、リーロンの「確変決めて大当たり」のギャグで、ちょいと落としてくれる。
ニアの元へ向かう超銀河ダイグレンも、合わせ鏡のような宇宙の次元の狭間にさまよう。10次元と11次元の狭間らしい。そこは知性を持つ者を幻想に捕える空間。
艦内で正気を保つのは、ブータと生体コンピュータのロージェノムだけ。
回りくどいとも思える手段でアンチスパイラルが探すのは「穴」
その想定外の「穴」は、ブータが己とロージェノムの螺旋力でヒト型に突然変異の超展開。突然変異が促す生命の進化を題材にした設定だろう。しかし知性を持った瞬間にブータも幻想の罠に捕えられる。
進化のモチーフにブータの突然変異を使ったシーンはラストの大団円で見せてくれるか、無いほうが個人的には好ましく思う。
幻想の中でグレン団メンバーが見る夢は、現実の甘い生活と螺旋の力で天を目指す道の選択を迫る。
シモンの夢には宝石ドロとグレン団の二人のカミナ。
カミナの「お前のドリルは何のためにある」の言葉を受け、天を目指すシモンにコアドリルも反応し、他のメンバーの夢の中のコアドリルに連鎖し、幻想から解放される。
合わせ鏡といっても無限に像が並ぶわけではない。その有限の先端にあるものに気づく時、幻想も終わるのだろう。
カミナをはじめキタンや先に逝った仲間たち、大切なものたちを幻想シーンを上手く利用して再登場させ、最終回前の盛り上げ、タメを過不足無く作ってきたのは巧み。
アンチスパイラルの触手上のものに消えてゆくニア。その輝く指輪を目指し超銀河ダイグレンと「待たせたな、ニア」とシモンの登場。制作に1年以上かけたこの作品も、いよいよ次回最終回。

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