このクールの大トリを務めたのは、春からの2クール作品「瀬戸の花嫁」
岸監督の下に集まった制作スタッフ、キャストが渾身の力で最後まで駆け抜けた。
前25話から続くクライマックスシリーズの最終戦は、正直なところ書くことがない。
最終回でいきなり永澄が漢(おとこ)になるのでもなく、遡る半年の間に積み上げてきた集大成を見せてくれたのだから、この1話だけ取り上げた感想などは作品の力の前には無力。
24話の三河の話では少々厳しい感想を書いたが、あそこで彼のキャラを立てていないと、最終話の活躍にちょっと間に合わないギリギリのタイミングだった事がわかる。
三河・ルナと潜水艦で燦を救出に向かう永澄だが、サルがいてもいいのか?人魚の正体がばれるのではないかと思うのだが、サルだからいいかと思わせるところが、今までのキャラ立てが成功しているのだろう。
義魚とのバトルは枚数はそうでも無い気がするが、エフェクトを上手く使って動きのあるシーンを作り出している。
瀬戸内組の活躍は勿論だが、「外資系」のルナパパも参戦。そりゃ無敵だろう、ターミネーター!
セーラー服に着替えているのは、余程気に入ったか?
永澄も燦の戦いの歌なしで「自律型超戦士」に進化している。
最終回でもサービス忘れない制作陣には感服。
決してパンツ見せたりするのがサービスではない。でも岸監督がテレ東以外の局で作品手がけると、凄い事になりそうな気もする。
そんな最終戦の大バトルの展開以外に、アバン兼オープニングで描かれた永澄のいない満潮家のさり気ない母と、永澄の男の旅立ちを察したかのような父の短いシーンは光っている。
そしてエピローグは、超戦士になったまま戻らない永澄と平和な満潮家、学校の日常のギャップで落として締める。
単なるギャグアニメでもなく萌えアニメでもない、言い方は悪いが美少女キャラたちを表面に押し出したふりをして、少年が大人の自分を意識し始める頃の成長物語をきちんと描いている所は実に巧みな作品だ。男の主人公がヘタレでも空気でもないのが気持ち良い。
サブキャラクターも、キャラ自らが役割を理解したように話の中で動いている。それも緩急つけて前面に出たり控えに回ったりと、シナリオに沿って2クールの舞台を演じている。
ルナも三河も途中退場の雰囲気があったのだが、上手く取り込んで話を回している。
岸監督と飯田音響監督の強力コンビの作品だから、キャラを演じるキャストも持てる引き出しは全開でついて行っている。この作品に関わって、引き出しの中身が増えた役者さんも多いのではないだろうか。
「マジカノ」の時よりはSEとかキャストの怪演を意識しなかったのは、シナリオや作画などひっくるめて作品全体のバランスが上がったからだと思う。
シナリオは各話での柿原回も良かったが、シリーズ構成を兼ねる上江洲氏の手腕が見事だし、岸監督のセンスともマッチしているのだと思う。
音楽では挿入歌の作詞に松井五郎を多用したところは、地味だが豪華な使い方。
GONZOxAICのアニメーション制作でメインはAICだが、2クール戦いつづけたのは見事。絵柄や効果で原画や動画の崩れは気付きにくい作品ではあるが、指摘するほどのミスは全く気付かない。
やはり岸誠二監督には、スポンサーが無用の干渉せずに好きにやらせると良い結果が出ると思う。タイプは違うけれど川口敬一郎監督にもそれは言える気がする。
原作コミックスは読んでいないけれども、このアニメ化は成功だったのではないだろうか。この後の関連商品の売り上げは各スポンサーの力量次第。
またどこかでこの監督・スタッフ・キャストの作品にお目にかかりたいと思う。
最終26話脚本:上江洲誠、絵コンテ:岸誠二、絵コンテ清書:森田和明・柳瀬雄之、演出:岸誠二、作監:松本剛彦・森田和明
余談:テレ玉では「マジカノ」が再放送されます。見られる方は是非どうぞ。10/3 23:30~




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